平均気温がマイナス6度、寒〜い日にはマイナス20度にもなるというケベックシティーの冬。1894年に小さなお祭りからスタートしたイベントは、今や世界中から訪れる人たちで賑わう冬の風物詩「ケベックウインターカーニバル」となった。

　モントリオールから車で北へ約3時間の街。ケベックシティーは、18世紀ヨーロッパの雰囲気を漂わすロマンチックな街だ。まるでおとぎ話に出てくるような古城や石畳の街並みは、北米のヨーロッパとも呼ばれている。また旧市街地はユネスコの世界歴史遺産にも登録されている城壁都市としても有名。この、旧市街地を中心に繰り広げられるのが、ケベックウインターカーニバルだ。
　今年で53回目となるウインターカーニバルは、1月26日から2月11日の日程で行われる。期間中は、子供から大人まで楽しめる様々な催しが街のいたるところで繰り広げられる。
極寒の中で行われるイベントの数々。
ウインターカーニバルとは一体どんなお祭り？

　数あるプログラムの中でも多くの人を魅了してやまないのが「雪の彫刻」。 世界各国から腕に覚えのある彫刻家や職人が参加して、様々な雪像を創りあげる。作業は氷が溶けないように深夜に行われるというから、その苦労は並大抵ではないだろう。同じく氷のブロックを積み上げて作られた「アイスパレス」は、カーニバルのシンボルだ。この「アイスパレス」前は、広場になっていてコンサートやダンスパーティーの会場になる、言わばカーニバルのセンターステージだ。 夜になると雪像群やアイスパレスがライトアップされ、ひときわ幻想的な世界へと誘うだろう。
　また、迫力満点な犬ぞりレースやアイスカヌーレースも見逃せないプログラム。
特に凍ったセントローレンス川で行われるアイスカヌーレースは必見。
時折流氷に乗り上げたカヌーを押しながら進んだり、流氷とカヌーがぶつかり合う激しい音やボートリーダーの叫び声に観客も大興奮。

　目で観て楽しむだけでなく、ウインターカーニバルは参加して楽しむプログラムも用意されている。子供だけでなく大人にも人気なのは、「スノーラフティング」。 激流を下るラフティングのボートを使って、雪原に特設されたスロープを豪快に滑り下るもの。
また、「スノーバス」は水着だけをまとって、雪の中に埋もれたりかけあったりして、寒さを耐久し合う。われこそは寒さには強いと思われる方は、ぜひ参加してみてはいかがだろう？
　さてカーニバルの名物のひとつといえば「メイプルシロップキャンディー」。
それも普通のキャンディーとは、ちょっと趣向が異なる。メイプルの樹液を氷の上に垂らしてもらい、自分自身で氷上に固まったメープルをスティックにクルクルと巻き上げてキャンディーにする。他にも、ウイスキーと赤ワインをあわせた飲み物「カリブー」は寒い日にうってつけのドリンクだ。

　カーニバルに欠かせないのが「ナイトパレード」。ウインターカーニバルの「ナイトパレード」は週末の2回行われる（2/3と2/10、どちらも午後7時より）。
サーカスを思わせるようなカラフルな衣装やメイクで着飾った人たちが、音楽に合わせてダンスをしたり、電飾を凝らした山車が次々と街中へと繰り出す。
カーニバルのマスコットボノム君も忘れてはならない存在。白い雪だるまのような姿に赤い帽子がと腰に巻いたカラフルな紐がトレードマークだ。カーニバルの期間中は街中のいたるところに出没するボノム君。愛嬌のあるスマイルを街で見かけたら、恥ずかしがらず一緒に記念撮影してもらおう！

【DATA】
期間：2007年1月26日〜2月11日
総合案内：1-866-422-7628
オフィシャルウエブサイト：www.carnaval.qc.ca/