わたしのおすすめ - おすすめスポット

ハリファックス(ノバ・スコシア州)ゆったりと流れる時間に癒される

ハリファックス(ノバ・スコシア州)の
魅力をたずねる

日本からもっとも遠いカナダの都市がある東海岸地域。 大西洋に面した土地柄、古くはヨーロッパからの入植者たちの玄関口として栄え、そして今なお静かに時を刻む。 同じカナダでありながら、西海岸地域に見られる森や湖、ローッキーの勇壮な山並みとは異なるしっとりとした風景のなかに独特の文化が息づく。


■ 古きよきカナダの姿がそのまま

ハリファックス(ノバ・スコシア州) スコシア州、ニューファンドランド州、プリンスエドワード・アイランド州、そしてラブラドール州。この4つの州を総して、アトランティック・カナダと呼ばれている。
 なかでもノバ・スコシアの州都ハリファックスは、日本ではあまり馴染みのない名だが、アトランティック・カナダ最大の都市だ。天然の港としては、オーストラリアのシドニー港に次いで世界で2番目の規模を誇る港町でもある。 ハリファックスは、古くから漁業が盛んで日本からの企業も多く進出しており、北海道函館市と姉妹都市を結ぶなど日本との関連も深い。 坂道が多い街中は、こじんまりとしていてダウンタウンなら徒歩で回る事が出来る。豪奢な建物から植民地時代をしのばせる趣を感じながら散策してみよう。

海を見下ろすように、市の中心地には小高い丘がある。
17世紀初頭からフランス人による入植が始まり、その後に起こった英仏戦争時に建てられた英国要塞跡のハリファックス・シタデル・ナショナル・ヒストリックサイト(Halifax Citadel National Historic Site)がここにある。当時の重要な軍事拠点だった軍事要塞跡は現在、歴史施設として保存され一般にも公開されている。
 星型をしたユニークな要塞跡では、1800年代の英国軍隊の様子が見られたり、「Noon Gun Ceremony」と呼ばれる正午を告げる空砲を毎日(クリスマスを除く)聞くことが出来る。 この英国要塞跡より高い建物を建てられないという条例があるため、市内にほとんど高層ビルが見られないのは、そのためである。

 

■ 郊外へ足をのばそう

ハリファックス(ノバ・スコシア州) ハリファックスから3号線を経て、333号を南下する約40キロメートルの観光道路は別名「ライトハウス・ルート」と呼ばれている。公共機関は通っておらず、車でしか行くことは出来ないが、大西洋の荒波が打ち寄せる花崗岩の海岸沿いを走るドライブコースはなんともダイナミックで爽快だ。また途中「ペギーズ・コープ」には夏期になると、郵便局としてオープンする灯台が有名だ。 晴れた日には絵の具で塗ったように抜けるような青空と白い灯台のコントラストがなんとも美しく、絵葉書そのままの景色が堪能できる。

 「ペギーズ・コープ」からさらに南下すると、ユネスコの世界遺産に指定された「ルーネンバーグ」の街が現れる。風光明媚なこの街には、18世紀に英国人がドイツ人清教徒たちやスイス、フランス人などを住まわせたことから始まった。昔から漁業が盛んで、漁師たちが船を塗った後のペンキの残りを使って生まれたカラフルな家々が象徴的だ。とがった屋根、ユニークな形をした窓、童話から抜け出たような可愛らしい建物たち。 当時のスタイルを保った建物は、現在も学校やカフェ、お土産やとして使用されている。この街の歴史は、250年以上の時を経ても今だ尚色褪せることがないのだ。

ハリファックス(ノバ・スコシア州)
 その他に「ペギーズ・コープ」と「ルーネンバーグ」の間に位置する「マホーン・ベイ」と呼ばれる別荘地がある。 カナダの名産品の一つピューター製品の老舗エイモスピューターの本社がここにある。製品が出来上がるまでの工程を見学することも出来るので、時間があればぜひ覗いてほしい。

 大きなアミューズメント施設があるわけではないが、先人達が大切にしてきた何かがハリファックスには、感じられる。 喧騒の中で暮らす人々が忘れかけた優しさや暖かさが、長い年月をかけてこの街に染み込んでいるようだ。

 

【参照】
ハリファックス観光局ウェブサイト:www.halifaxinfo.com
ルーネンバーグウェブサイト:http://explorelunenburg.ca

Top of page