日本からもっとも遠いカナダの都市がある東海岸地域。 大西洋に面した土地柄、古くはヨーロッパからの入植者たちの玄関口として栄え、そして今なお静かに時を刻む。 同じカナダでありながら、西海岸地域に見られる森や湖、ローッキーの勇壮な山並みとは異なるしっとりとした風景のなかに独特の文化が息づく。 ■ 古きよきカナダの姿がそのまま
スコシア州、ニューファンドランド州、プリンスエドワード・アイランド州、そしてラブラドール州。この4つの州を総して、アトランティック・カナダと呼ばれている。 海を見下ろすように、市の中心地には小高い丘がある。
■ 郊外へ足をのばそう
ハリファックスから3号線を経て、333号を南下する約40キロメートルの観光道路は別名「ライトハウス・ルート」と呼ばれている。公共機関は通っておらず、車でしか行くことは出来ないが、大西洋の荒波が打ち寄せる花崗岩の海岸沿いを走るドライブコースはなんともダイナミックで爽快だ。また途中「ペギーズ・コープ」には夏期になると、郵便局としてオープンする灯台が有名だ。 晴れた日には絵の具で塗ったように抜けるような青空と白い灯台のコントラストがなんとも美しく、絵葉書そのままの景色が堪能できる。 「ペギーズ・コープ」からさらに南下すると、ユネスコの世界遺産に指定された「ルーネンバーグ」の街が現れる。風光明媚なこの街には、18世紀に英国人がドイツ人清教徒たちやスイス、フランス人などを住まわせたことから始まった。昔から漁業が盛んで、漁師たちが船を塗った後のペンキの残りを使って生まれたカラフルな家々が象徴的だ。とがった屋根、ユニークな形をした窓、童話から抜け出たような可愛らしい建物たち。 当時のスタイルを保った建物は、現在も学校やカフェ、お土産やとして使用されている。この街の歴史は、250年以上の時を経ても今だ尚色褪せることがないのだ。
大きなアミューズメント施設があるわけではないが、先人達が大切にしてきた何かがハリファックスには、感じられる。 喧騒の中で暮らす人々が忘れかけた優しさや暖かさが、長い年月をかけてこの街に染み込んでいるようだ。
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