私の手に止まった ルナ モス （Lunar Moth）という蛾の一種

念願の湖の上の家を見つけてここに移り住んだのは２月14日、とても寒い時期。家探しの間の夫の父親との同居は楽しいものだったが、家が決まったとなったら引越しは早い方が良い。たとえ厳寒の時期でも。

庭に遊びに来たキツツキ

コテージカントリークロック

東京生まれの東京育ちの私は「コテージカントリークロック」を把握するのに時間がかかった。「ここでは時間がゆったり流れている」と言うとものすごく優雅に聞こえるだろうが、実際の生活では結構大変なことがある。引っ越した次の日にケーブル会社に電話をかけたが工事に来るのに2〜3日掛かると言われた。田舎なので人手も無いし、雪がたくさんで交通に支障をきたすとの理由。仕方なく待ったが3日を過ぎても連絡が無いので電話をすると「たぶん明日行けます」との返事。ここでは実際行くと言った日をおおよその日として、それから運がよければ後一日、運が悪いと何日待つか検討がつかないらしい。 遠距離から会社を経営している私達に無くてはならないのが、高速インターネット。でも田舎で「高速」はありえない。サテライト受信機を立てたは良いもののバンクーバーにいた時と比べて遅い遅い。だからと言って悪いことばかりではない。お茶をもう一杯飲む時間ができるから・・・。

ベランダから撮った２月の朝陽

バレンタインはティムホートンで

外を歩いている人は本当に少ないし、慢性的な人手不足の感はあるけれど、たまには例外があった。 去年の2月、バレンタインデーのお祝いに食事でもしようと、ここから車で45分くらい離れた少し洒落たレストランに予約無しで行った。こんな田舎のレストランだから予約なんて要らないだろうと思ったら、そこは天下のバレンタインデー。小さい店に人がぎっしり。仕方ないのでそこから3分ほど行った町のメイン通りに行くと、チャイニーズレストランが１軒と、いわゆるダイナーと呼ばれるハンバーガーやフレンチフライを出す店が一軒あったが、どちらも1時間待ちと言われた。あああこれから家に戻って45分、それから食事を作ってもう30分・・・と、計算が終わらないうちに私のお腹の時計が絶妙のタイミングでNO と言った。帰ろうとして町の外れに目をやると、ティムホートンズ（カナダ全国にあるドーナツ屋）があった！信号が3個しかないこの町にもやはりあった！

氷りついた湖

中に入るともちろん長蛇の列。やっとの事で手に入れたサンドイッチをほおばりながらふと周りをみると、やはりレストランからあぶれたらしいカップル達がたくさんいた。でも彼らの笑顔を見ていたら、お祝いなんて何も高級レストランでは無くても良いんだなあと何だかちょっぴり幸せになった。
（つづく）

記事提供：ウェスト トレック ツアーズ
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