湖で出会った大きな亀

あっ、この辺セルフォン使えませんよ
ある日の早朝、ドアベルが聞こえた。

“ここは人口200くらいの小さな町。尋ねてくる人もあまりいない。いったい、誰だろう？・・・”

出てみると一人の女性が立っていた。

「タクシーを呼びたいんだけど携帯を充電するのを忘れたので電話を貸してほしい」という彼女は、都会から遊びに来たらしく、寒いのにお洒落なタンクトップと薄いセーターで立っていた。

その女性に、「あっ、この辺、携帯は使えませんよ」と言ったら固まってしまった。

２００７年３月のベランダからの眺め

そうなのだ、この辺りはまだ圏外で携帯電話が使えないのだ。日本では海に浮かぶ釣り船からでも携帯電話を使っていたけど、ここでは携帯電話は使えない。

極度の方向音痴な私なので連絡用に携帯があると便利だろうとは思うけど、それ以外はこの町では携帯も必要ない。　
バンクーバーでは仕事の電話が夜中でも早朝でもおかまい無しにかかってきていたのと比べると天国だ。

あっ、ちなみにタクシーサービスも無い。

２００７年３月のベランダからの眺め

ところで、その女性が行きたかった所はここから近くだったのでトラックで送ってあげた。その女性は「携帯電話」と「タクシー」という二つの禁句を要求していた事を知って本当にびっくりしていた。

東京という故郷を持ち、カナダのド田舎に生活するギャップは本当に楽しくて、尊敬する両親と可愛い弟、そして日本にいる大切な友達を皆ここへ招待したい。まだこの地に来て長くは無いけど、早く本当の友達がこの地でもできれば良いなと思う。
（つづく）

記事提供：ウェスト トレック ツアーズ
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