バンクーバー閑静なギャラリー街、West 2ndにあるネイティブアートのギャラリー
「The Bento Box」を訪問した。
オーナーであり、アーティストであるAlano Edzerzaさんが笑顔で迎えてくれた。彼はバンクーバー出身で、2001年からアーティストとして活躍している。
ギャラリーは広く開放感がある。その中に静かに佇むアート作品たち。まるで声が聞こえてきそうな迫力のあるお面や、不思議な形を彩った絵が並ぶ。見ていて自然に体の中へ入ってくるような感覚を覚えるのは、それらが自然と一致しているからだろうか。
ネイティブアートは先住民(ファーストネーションズ)によって古くから伝わる伝説や、お話からヒントを得て作られている。BC州ではたくさんのアーティストが木彫りやシルバージュエリー、ガラス、絵など様々な作品を作っている。Alanoさんの作る作品には鳥や人間や魚が存在する。まず有名な「渡り鳥」。これは「Raven」(レイブン)といい、世界に光をもたらした創造主であると云われている。ファーストネーションズの神話において最も重要な文化的なヒーローである。
そして、日本では鷲としておなじみの「Eagle」(イーグル)。イーグルは偉大な強さ、平和、友情の象徴と云われている。また「Salmon」(サーモン)は、信頼や生きる源という意味を含み、ペアで描かれていることが多く、幸運の象徴となっている。また「Moon」(ムーン)は保護神という意味がある。全て生きるもの、自然のものが描かれており、先住民がいかに自然と共に生きていたか分かる。
Alanoさんは他のアーティストの作品からもインスピレーションを得る事が多いという。彼の作品からは、通常のネイティブアートよりも、コンテンポラリーをミックスした独特のスタイルを感じた。目の前に大きく飾られているサーモンのペアはどこかグラフィティのようでもある。
多くのギャラリーの中でこのギャラリーがスペシャルなのは、Alanoさんの人柄のせいだ。毎日多くの人がギャラリーにやってきては、この素晴らしいアートと触れ合い、楽しんで帰っていく。絵を一つ一つ丁寧に説明してくれ、質問にも喜んで答えてくれるだろう。彼のガラスの作品は必見!
カナダでネイティブアートに触れてみたいと思ったら「The Bento Box」へ是非訪れてほしい。