川旅のスタート!
テスリン川地図 |
カヌーを車に積んでユーコン川の上流にある支流のテスリン川に向かう。
支流のテスリン川から直接本流のユーコン川に下る予定だ。
確かジョンソン橋がスタート地点で、このあたりの川の水はきれいなグリーンの色をしている。いよいよスタートだ!最初はしばらくの間、パドルを使用せずに流れにまかせて流されてみることにした。あたりは空と川と山だけしか見あたらない。 川面にはあちらこちらからぶつかり合い、湧き出すような流れのポイントが多数ある。流されているうちはまったくといって良いほど静かであることに驚いた。 川旅の始まりがこんなに静かであるとは思いもよらなかった。
この静寂を破ったのは、この川に潜む大きな魚達だった。虫を食べるためか、川面の上の世界を見るためなのか、ジャボンジャボンとライズしてはその大きな魚体を水面に叩きつける。
しばらくするとまた違う場所で水面を叩きつけ、静寂をやぶる。
ユーコンの魚達は好奇心旺盛なようで、カヌーを浮かべた珍客を見るために連鎖して飛び跳ねているように思えてしまう。
ダブルパドル |
シングルパドルでカヌーを前進させようと、オールをパドリングするけど舟艇はまっすぐに向いてくれずクルクル回りながら流されていく。
この現実に、カヌーのコントロールが限りなく経験ゼロに近い僕には難しいものだと実感させられた。 多少の無鉄砲は自覚しながらも、旅する時間、川も食料もある僕にとって、経験は今積めばいいものだと思いなおす。
安直だがパドルの予備をつなぎ合わせて、ダブルパドルを作りカヤックスタイルのパドリングをやってみることにした。旅はその場の直感で動き、工夫する能力を発揮するチャンスだ。 正しいやり方は知らないけど、自分のさじ加減ひとつでそういうこと一つ一つを自由にチョイスしていけるおおらかな旅の形は最高にすばらしいと思う。ずっと前に自転車旅行をやったとき、日に日に距離を伸ばしていけることに喜びを感じる自分らしい旅ができた。純粋に自転車で一日100キロ進めた喜びや米が初めてうまく炊けた時の喜びは、旅することで会得できたという過程があり、それが財産となっている。(続く)
杉田えいすけ さん
福岡出身。九州産業大学で写真を専攻。自転車、登山、ロック・クライミング、カヤックが大好き。現在、税理士の資格取得に力を注ぐ福岡の自転車メッセンジャー。“九州のへそ”人吉で税理士事務所の設立とマイ・ログハウスづくりを夢見る。
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