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連載 ユーコン川、カヌーひとり旅


杉田えいすけ さん

ユーコン川上流にある支流、テスリン川を下る川旅の始まり アラスカ・北極圏とカナダの略図~旅行日程表

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 ユーコン川本流へ

ユーコン川本流へ

テスリン川をカヌーで下り、ユーコン川との合流地点からさらに下るとファイブ・フィンガーラピットという名前の大きな瀬があり、この瀬を超えるとだんだんと川幅が狭くなり流速が次第に増していく。
出発してからここまでは、沈したり転覆するような事故もなく無事に来られたことに感謝しながらパドルを操作する。気分的にもやっとカヌーツーリングを楽しめる気持ちの余裕が感じられる。
ここらあたりに来るとテスリン川のような水質で、透明感のあるライトグリーンから深みのあるグリーンに川の色が変わってくる。

(ファイブ・フィンガーラピットを過ぎたあたり一帯は特にグレイリングがよく釣れ、5回連続で1キャスト・1フィッシュという経験をさせてもらった。)

ユーコン川本流へ

ここらあたりの景色は、今まで360度のパノラマから次第に木々が生い茂る森の中に入り込むような状景が増えてくる。この時期のユーコンは8月と言えども朝晩はそれなりに気温が低下して冷え込むことが多いけど、昼間の日差しが強い日などは全裸になりたいほど暑い。川旅をしているあいだ中、滅多に人に会うこともないし本当に全裸になって、カヌーの先頭に仁王立ちしてパドルを肩にかけたまま遠くを見わたしたりして自分の野生と開放感を楽しんでいた。

ユーコン川本流へ

時折、川岸には森のなかからムースのメスが突然に現れてユーコンン川を流されながら川下りをしている僕の姿を発見してキョトンとしている。野生のムースを見るのは初めての僕は、そのままの姿勢でムースの姿に視点が釘付けになる。アウトドアではどういう事態に遭遇するのかわからない。(だから楽しさも倍増するんだろうけど!)
たまたま川幅が狭いところを通過中だったため、ムースと僕はお互いの距離4メートルほどを隔ててカヌーは通過し、何事もなく通り過ぎていった。ムースは終始そこから動かずに僕を凝視していた。
おそらく自分のテリトリー近くを通過する他の動物を認識するかのような感じである。

生き物同士の対峙は、熊にせよ、魚にせよ、ムースにせよ、よりパーソナルなものだと感じた。動物同士、互いに生きているという共通点以外に、それぞれが感じるインスピレーションがある。生き物の種類を超えて、たとえばこの熊は落ち着いていると感じたりすることがある。
生きてきた世界を超えた一瞬の対峙がこのアラスカ・ユーコンにはあり野生の中にある貴重な経験ができるところだと思った。

杉田えいすけ さん杉田えいすけ さん
福岡出身。九州産業大学で写真を専攻。自転車、登山、ロック・クライミング、カヤックが大好き。現在、税理士の資格取得に力を注ぐ福岡の自転車メッセンジャー。“九州のへそ”人吉で税理士事務所の設立とマイ・ログハウスづくりを夢見る。
www.e-adventurous.com


 

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