カヌー旅の終着地
右側のトーテムポールにはワタリガラスの羽とムースの角が飾り付けてあった。
手前の有刺鉄線には電流が流れるしかけがしてあり、熊避けの対策だ。 後ろの家はフィッシュキャンプ用のキャビン。 |
ユーコン川流域の7~8月は、ベーリング海で泳いでいたサケが溯上してくるサーモンロードとなる。大量のサーモン達が故郷に帰ってくるシーズンだ。
フィッシャーマンやカヌーイスト、グリズリーにも待ち遠しいシーズンなのだ。僕はユーコン川をカヌーで独り旅をしていてキャンプ中の料理にはよく川べりでサーモンを拾って食べた。ここではサーモンは釣るのではなく拾うこともできる。
溯上するレッドサーモンの大群に遭遇したとき、川面の一面がレッドサーモンの赤い背びれで埋め尽くされる時があった。赤い背びれの絨毯に僕のカヌーが浮いている感じだ。そんな豊饒の恩恵を地元の人たちが授かるためのシーズン用のキャビンが、フィッシュキャビンだ。
冷たい雨が長く降る時は、そういった小屋で雨宿りするのもユーコンの風情だと思い、ひとときを過ごす。
昔の建物の基礎が崩壊して傾いた家がたくさんあった。
地面下の凍土層が重みで解けて大きく傾いている。ドーソンにて。
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やっとドーソンまで流れ着いたので、カヌーひとり旅も終わり賃借していたカヌーを返却した。
テスリン川のジョンソン橋からカーマックスまで約200km、カーマックスからドーソンまでの距離が402Km。合計したら約600Kmになる距離を、アラスカとカナダ・ユーコン準州の国境をまたぐユーコン川を川下りしたことになる。100年ほど前に、金(ゴールド)を求めてこの地まで来た者(ガリンペイロ)達が辿り着いた町、ドーソンは下流にむかって右側にある街だ。
その昔建てられた家々は、地面下の氷層が重みで解けて大きく傾いている。
ドーソンで出会ったユニークなサイクリスト |
杉田えいすけ さん
福岡出身。九州産業大学で写真を専攻。自転車、登山、ロック・クライミング、カヤックが大好き。現在、税理士の資格取得に力を注ぐ福岡の自転車メッセンジャー。“九州のへそ”人吉で税理士事務所の設立とマイ・ログハウスづくりを夢見る。
www.e-adventurous.com