筏で川旅の続き
ユーコン川の左側にはキャンプ場があり、その隣には打ち上げられた船の残骸が残されている。
このユーコン川では船の往来が頻繁にありキャンピングカーやトラックなどを乗せて移動手段として利用されている。僕は久しぶりに陸にあがり町にやってきたので久しぶりにシャワーを浴びたり、コインランドリーで洗濯をしたりしてくつろいだ。観光スポットをめぐったり、酒場でビールを一杯やったりして過ごしていたら瞬く間に数日が過ぎてしまった。そのあいだに僕の頭の中では、せっかく北米大陸まで来ていながらこのままユーコン川の旅を終わらせていいものかどうか迷っていた。
ここアラスカとカナダ・ユーコン準州をまたぐユーコンの地で、自分がより自然に関わって逞しくありたい。この気持ちが僕をイカダ(筏)でユーコン川を川下りすることを決心させる。
そういう気持ちが僕の自作の、手作り筏(イカダ)旅の始まりであった。
よ~し、イカダでユーコン川を川下りしてみよう。イカダの作り方も知らないし、手作りイカダの材料もどこで調達すればいいのかわからないけどなんとかなるだろう。たまたまキャンプ場で知り合ったナオさんに手作り筏(イカダ)を作るための設計のアドバイスをしてもらい、手作りイカダでも絶対に壊れない頑強さと、絶対に沈まない浮力を維持することが設計の主格であると考えた。
自作イカダでユーコン川を川下りするためには、川の中のちょっとした瀬や岩壁で衝撃を受けても壊れないイカダ作らないと、筏に乗った状態で修理が出来るほどの大工仕事やアウトドアの腕前ももっていないし道具もない。そして流れの速いポイントで筏はフットワークがないので着岸できるかわからないし、熊が接近しそうな状況も考えて手作り筏(イカダ)の上にテントが張れて寝泊りできるくらいのサイズにしようと思った。
杉田えいすけ さん
福岡出身。九州産業大学で写真を専攻。自転車、登山、ロック・クライミング、カヤックが大好き。現在、税理士の資格取得に力を注ぐ福岡の自転車メッセンジャー。“九州のへそ”人吉で税理士事務所の設立とマイ・ログハウスづくりを夢見る。
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