今回、Richmond市南部にあるStevestonに行った。Stevestonは和歌山県三尾村出身の漁民たちが100年以上前に移民をしてきた街。こういった歴史から現在、Richmond市は和歌山市と姉妹都市提携を結んでいる。漁業が盛んで、海沿いにお店が並んでいて…という雰囲気は、幼少の頃、私が住んでいた和歌山市の雰囲気とどことなく似ていて、私にとっては懐かしい香りがする街。だからなのか、来ると何故か落ち着く不思議な場所だ。

ある日曜日の昼下がり、Stevestonに着くと予想以上の人。カフェでコーヒーを飲みながらおしゃべりをしている人、フィッシュ・アンド・チップスのお店に並んでいる人、ホエールウォッチングの説明を受けている人などさまざま。しかし、一番活気があったのは、波止場だ。そこでは、エビ、サーモン、エイ（？）などいろんな魚貝類が漁船の上で売っていて、これ程新鮮な魚はスーパーマーケットでは絶対に出会えない代物ばかり！私もサーモンを買ってみたいなと一度は心が揺れ動いたが、1匹単位で売っており、魚のさばき方を知らない私は泣く泣く断念。しかし、刺身でも食べられる新鮮な甘エビ、2パウンド（約1キロ）を2ドル50セントで購入。味見可！という太っ腹なお店で食べてみた甘エビのあまりの甘さに感動し、これをわさび醤油で食べるとおいしいだろうな～と思わず購入してしまった。

波止場を後にし、甘エビを片手に持ち少し歩いてみた。時間があまりなく、駆け足での散策だったのが悔やまれるが、それでもHayahiやYoshidaなど日系人の姓にちなんだと思われる通り、公園、学校、記念碑を見つけることができた。また、和歌山県人会によって作られた日本庭園もあり、ダウンタウン近くにあるパウエル通りとは一味違った日系人の歴史を感じることができた。

日系人の功績を感じる街Steveston。カナダで日系人の歴史をたどるときには絶対に欠かせない街の一つだ。先日、天皇・皇后陛下がカナダに来られた際、第二次世界大戦中の日系人の強制収容への補償問題なども新聞で取り上げられ、私も興味を持ったところだった。次回行くときはもう少しゆっくり滞在して、Steveston Museumにも行ってみたいなと思っている。