ユーコン旅の終息地

イーグルの絶壁。筏旅の終着地となった。右下が僕の手作りイカダ。

 

すっかりお世話になったキャビンを出ると、緩やかな流れがつづくので流木丸の進みも緩やかだ。国境を超えアラスカ州のイーグルまで数日で行けそうな距離にあるが、中州になっているところに流れ着いきそうになるたびに、長い棒で押して流れに戻る。川色も濁ってきて川幅がかなり広がっている。そのため進行方向が時々わからなったが今度は無事イーグルまで流れ着いた。心配だったのは着岸だったが、先に着いているナオさん達が出迎えてくれてペットボトルにくくりつけたロープを岸に投げ込み、そのロープを引きよせてもらって着岸した。イーグルにいる頃は、すっかり日も沈む季節になり夜の冷え込みも強くなった。

みんなで、焚き火を囲み、勢いが強くなり全天に広がるオーロラの空の下で語り合った。

旅の終着地としたイーグル。ここでユーコンと別れを告げるべく、荷物になる衣類なども燃やして荷物の軽量をはかる。

僕にひと時のロマンを与えてくれた流木丸をどう処分しようかと悩んでいたところ、後から放浪してきたヨーロッパの若者がどうしても譲ってほしいというのでプレゼントすることにした。カナダから流れてきた僕だけど、パスポートには、アラスカのスタンプを最後に押したその後、カナダでは入国手続きの機会が無くまたアメリカの国境を越えてしまったのでイミグレーションオフィスで心配だったが、そういう部分はかなりラフですぐにスタンプをもらえた。

ユーコンやアラスカの夏は終わり、秋はほんの1週間くらいで通り過ぎ、本格的な冬に入る。その貴重な秋の時期に僕のユーコン川の旅を終えたことを幸運に思う。(完)