日本の小学校で英語教育が本格化するなか、児童英語講師養成プログラムが注目を集めている。その中でも「児童英語教授法（TESL for Young Learners）」と「J-SHINE養成コース（小学校英語指導者養成コース）」を同時に受講できるプログラムがPacific Gateway　Career Collegeにある。今回はこのJ-SHINE資格取得プログラムに体験入学をした。

このプログラムは8週間で準資格取得が可能（すでに50時間以上の指導経験がある場合は正資格取得）となっており4週間ごとの２セッションで構成されている。
午前の授業は各セッションで受講科目が異なる。セッション１は選択制（一般英語をはじめスピーキングコースやテスト対策コースの中から一つ選択）、セッション２がJ-SHINE資格取得プログラムだ。午後は全期間を通してTESL for Young Learnersを受講。本日見学したのはセッション２、午前中の「J-SHINE資格取得プログラム」。

この授業だけは日本語を使用するため本キャンパスではなく別のビルで行われていた。生徒は６人。日本人講師のもと「外国語の教授法」と「言語習得論」の講義が行われていた。日本のテキストを使い、日本語での授業だ。テキストを拝見させてもらったが、大学の講義を受けているような高度な内容だ。難しそうに見えたが、テキストを読み進めていく途中で、先生が一つ一つの教授法について実際にあった事例を上げながら内容について噛み砕いて説明していたので、生徒もすんなり理解しているように見受けられた。そのため意見交換も活発に行われていた。

２０分の休憩後、生徒によるデモレッスンが行われた。生徒の一人が先生役でほかの生徒は生徒役。果物の名前を教えるというテーマで、カラフルなかわいらしい手作りの教材を使って授業が繰り広げられた。名前を教えるといってもその教え方は様々で、各生徒が試行錯誤して、独創性に富んだ教材づくりを行っている。デモレッスン終了後すぐに、先生から授業の評価、そして的確なアドバイスを受ける。デモレッスンはセッション中に何度か行われ、初めは１０分、そして最終的に３０分のデモレッスンを行うそうだ。

見学はここまで。このあと日本人カウンセラーと先生にお話を伺った。
J-SHINEとTESLの両コースを同時に学ぶことで、日本・カナダそれぞれの視点に沿った教授法の知識の習得が期待できるうえ、「まったく別ものというわけではないので、片方のプログラムで学んだことを、もうひとつのプログラムでも学ぶ場合があり、理解が一層深まるという相互作用も期待できる」と先生が仰っていた。そして、J-SHINEの正資格を希望する生徒には２セッション終了後に現地のチャイルドケアセンターでの教育実習（50時間）の手配が行われる。この実習はネイティブの先生たちによる授業を間近で見られるだけでなく、現地の子供たちに実際に授業をする機会もあるのでとても貴重な体験が得られる。また、このプログラム受講中には様々な無料ワークショップが放課後に用意されており、J-SHINE資格取得だけでなく発音や会話を強化したい人には嬉しい内容となっている。また日本人生徒のサポートも万全で、この学校特有の「国際コミュニケーション塾」という日本人向けのワークショップがほぼ毎日開催され、バンクーバーで生活していくうえでのノウハウを学ぶことができる。授業内容だけではなく生活面のバックアップも充実したこのプログラム。J-SHINE資格取得を考えている人には一見の価値ありだ。