サウザンドアイランドの悲話
キングストンは、オンタリオ湖から流れ出すセントローレンス川の始点でもある。キングストンから下流方面に下ると、大小1000以上にも上る島々があらわれる。
この無数の島々は「サウザンドアイランド」と呼ばれ、ドレッシングの「サウザンドアイランド」の名前の由来になった場所としても有名だ。
ドレッシングにちりばめられたスパイスや野菜が無数の島のようだとか、ニューヨークのホテルのコック長のアイディアなど諸説あるが、アメリカのホテル王ボルト氏の話が有名だ。同氏がこの島の一つ「ハート島」に愛妻のためのお城を建設中、建設視察に同行したコック長が考案したドレッシングを、この場所にちなんで「サウザンドアイランド」と名づけたのがその名の由来といわれている。
しかし残念なことに、お城の完成前にボルト氏の愛妻は亡くなってしまい、今でも未完成のまま島に残されているという、ちょっと悲しい結末だ。
この悲しくもロマンチックなお城を一目見ようと、訪れる観光客は後を絶たない。風光明媚なサウザンドアイランドの島々は、現在では北米屈指の高級別荘地として名高く、島々には可愛らしいコッテージタイプからハート島のようなお城まで様々な様式の別荘が建てられている。
かつては首都として栄え、今は静かな時が流れるキングストンは、カナダの史跡をたどりながら、いにしえの街を散策したい人におすすめだ。
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