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京都大学国際交流サークルKIXS

行澤隆(ゆきざわ・たかし)

(京都大学法学部2回生)

 KIXSは、世界各国からの留学生と交流することを目的としたサークルで、日本人学生約50名、留学生約20名で構成されている。対象となる留学生は「日本語日本文化研究生」と呼ばれ、日本語を使いこなせ、日本の文化や慣習に深い造詣をもっている。私たちの活動は、週1回の夕食会を中心に、ディスカッション、長期休暇の旅行、月ごとのイベントなどと多岐に及ぶ。今年の4月には、京都市主催の「鴨川さくらまつり」に参加し、留学生たちがそれぞれ母国の家庭料理を振舞って、好評を博した。また、留学生教育機関や他大学の国際交流サークルなどとの交流も積極的に行い、常にサークル内に新鮮な風を吹き込むことを大切にしている。

 KIXSは、サークルとしては比較的大きな規模だが、以前は、留学生をお客様扱いするような活動も多く、日本人と留学生の間に距離があった。留学生の日本滞在を有意義なものにするためのお手伝いも、私たちの目的の一つであることには違いないが、それだけでは発展性が見出せない。
そこで、彼らと共に様々な経験をすることで強固な友情を築くことが、何よりも重要なのだと考えるようになった。そして、サークルを充実した魅力的なものにしたいと試行錯誤した結果、私たちの活動は質、量とも飛躍的に向上し、それに伴い規模も大きくなった。

 サークルが発展するなかで、私たちは大きなことを学んだ。
国籍を取り払い、心の底からの信頼関係を築き上げることが最も大切なのだということだ。これは単純なことのように思われるが、ひじょうに難しいことだ。国籍が違うということは、言語や文化をはじめとするバックグランドが根本的に異なるということを意味する。これが国際交流において大きな障壁ともなりえるが、逆にそれがあるからこそ国際交流が楽しく有意義なものになるともいえる。
また、国際交流は、自分の国を客観的な視点から捉え直し、新たな一面を見つける手助けともなる。

 恵まれたことに、私たちは京都という、日本の原点ともいえる場所を拠点に活動している。日本という国を見つめ直すのに、これ以上都合の良い場所はないだろう。国際交流を通して母国を再認識したという経験は、大学卒業後の社会でも大いに役立つに違いない。このサークルでの様々な活動を通して、本音で国際交流をすることは、私たちの広い視野を獲得し、将来の可能性を広げ、より大きな人間になれると信じている。今後もそのような展望の下に活動の幅を広げ、さらに魅力的なサークルにしていきたいと考えている。

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