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カナダ留学体験談

 夏休みが終わり、僕のカナダ留学の最終目標、「TESOL for Middle School」と「実習体験」のときがやってきた。要は二ヶ月かけてTESOLの中高生向けの資格取得とカナディアンのスクールでの教育実習をするというセットのコースだ。
 ここでTESOLのベーシックコースと変わってくる点は、TESOL for Middle School、中高生向けTESOLでは「英語で地理や科学の授業を教える」、いわゆる学校の「普通の教科科目」の授業を行うということだ。「英語を英語で教える」、いわば英語学習だけではないのだ。こんな風にいうと、「そんな難しいことできるの!?」って思うかもしれないけれど、まぁ教えることはその都度決まっているし、授業の準備をしながら専門用語を覚えて授業をするっていうことだから、プレゼンテーションができるレベルにまで英語力がある人なら出来る。でもやっぱり中高生レベルの教科科目を英語で教えるっていうことだから、語学学校でやるプレゼンテーションよりも準備など色々含め、面白かった。僕は科学の授業で「光が水を通過するときの屈折」とか、地理では「ノースアメリカの渡り鳥の経路と実態」みたいなことをやった。トピックが専門的になるので語学学校ではあまり出会わない単語と出会えたり、少しアカデミックなものも読んだりするのでそういう意味でも良かった。自分たちが中学、高校と「積乱雲」とか「原子核」とか単語を覚えながら勉強してきたことと全く同じことだ。初めの一ヶ月はそんな風にどうやって中高生に科目を教えるのかということを教室で模擬授業をしたりしながら学んでいく。
 で、一ヶ月をそんな風にして過ごして、それが終わると本番、教育実習。一ヶ月を二週間ずつに分けて、語学学校とカナディアンのMiddle Schoolに行った。
 まず語学学校はKGICのSurreyキャンパスにある中高生用のクラスに行った。TESOLで教わったことを念頭に授業を観察して、文法の授業やリスニングの授業を一回ずつ持つ。この語学学校にはアジア、サウスアメリカ、中東の学生がいて、みんな親元を中高生のうちから離れてカナダで英語を勉強している。みんな素直な子たちだった。
 実際やってみて思ったのはやはりクラスの仲間たちの前で模擬授業を行うのと、本当の生徒の前で行うのとでは100%違うものだった。生徒は自分を完全に「先生」だと思って接してくる。本物の生徒を目の前にして授業をやる中でしか感じられないこと、体験できないやり取りが沢山あった。語学学校では授業は科目を教えるのではなく、英語を教える、という内容だ。英語を英語で教えるのは大変なことだ。でも生徒と先生、お互いに気持ちがあれば、できることは沢山ある。それは本当に良い経験だった。
 その後のリアルカナディアンのスクールは日本の学校とは全く違う学習環境を見ることができる「人生に一度の体験」だといっていいと思う。僕は学年でいうと日本でいう中学一年生、二年生を見た。まず僕は昔高校、中学で教師をやっていたことから、日本の中高生の雰囲気とカナダの中高生の雰囲気の違いに驚いた。まず手を上げて発言しようという姿勢が日本とはまるで違う。みんな自分の意見、答えを言うことに全く恥ずかしがらない。
 教室の作り方も全く違う。授業でやった成果をどんどん教室の壁に貼り付けていくので教室の壁は生徒たちのその一ヶ月に学んだことでいっぱいだ。休み時間にもいつでもそれが目に入る。そういう「学び」が、授業が終わってもすぐそこにある、という環境はすごくいいと思った。日本にはないカナダの教育の良い面を沢山見たのと同時に日本の教育、日本人の持つ性格の良いところも沢山感じた。これが本当にカナダの学校を見て一番良かったところだと思う。それぞれの国の教育の良いところ悪いところが見えてくる。
 最後の週にやった日本文化の授業では、折り紙、食、東京、神社、日本のお祭りなど盛り沢山の内容を、TESOL for Middle Schoolの授業で学んだメソッドを使ってカナダの子供たちに体験してもらった。多くの情報量をいかに効率よく、生徒主体で学ばせるか、教えたいことを「教える」のではなく、生徒たちに「与える」。TESOLの根底にある考え方を実際に自分の作る授業を通して感じることができた瞬間だった。