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クマのプーさんのふるさと
マニトバ州チャーチル
極寒の町で出会う自然(いのち)の輝き


マニトバ州チャーチル

マニトバ州チャーチル

漆黒の暗闇にゆらゆらと生き物のようにゆらめくオーロラの帯。果てしない荒野の向こうから聞こえるオオカミの遠吠え。ここには人と野生動物たちとのボーダーラインがあるのでしょうか。

カナダのほぼ中央に位置するマニトバ州は、西部開拓時代に毛皮交易の中継地点として栄えた場所です。首都ウィニペグのダウンタウンでは、近代的な高層ビルのなかに今だヨーロッパ風の重厚な建物が見られます。州面積の15パーセントを占める湖の多さから、「10万個の湖がある州」とも呼ばれています。
そして、このウィニペグの町の名からあの「クマのプーさん」(Winnie The Pooh)の名がついたことはご存知ですか? イギリスの児童文学作家アレン・アレクサンダー・ミルンが、カナダのウィニペグからロンドンの動物園にやってきた熊をモデルに書いたのが「クマのプーさん」。この物語の記念にモデルになった小熊の銅像がアシニボイン公園にあります。

最果ての町に生きる人々と動物の住む町

洗練された首都ウィニペグから、飛行機で北へ約2時間半の町チャーチルは、人口が約1000人ほどの小さな町です。永久凍土で覆われた土地は、北極へつづくハドソン湾に面している港町。冬の間は町中が凍てついたような気候、夏は溶け出した永久凍土がぬかるみのようになります。森林限界を超えたツンドラ地帯は決して人が暮らすのに向いている土地とはいえないのですが、この土地を愛し、何十年も何世代にもわたって生活している人たち、そして野生動物たちの姿があります。普段は静かな北の町ですが、年に一度人々で沸き返る時期があります!

マニトバ州チャーチル

凍る海

10月、内陸地では紅葉が盛りの頃、チャーチルでは一足早く厳しい冬が訪れます。氷点下の日々がつづき、チャーチル川から氷がハドソン湾へ流れ込み、やがて海一面を埋め尽くします。そして海が厚い氷に閉ざされたとき白クマたちがどこからともなく現れるのです! 夏の間は、冬眠ならぬ夏眠のごとく陸地で静かに過してきた白クマにとって、冬こそ彼らの待ちに待った季節なのです。彼らの目的はただ一つ。餌となるアザラシを求めて凍りついたハドソン湾を渡り北極へ向かうため。チャーチルは白クマたちの旅の出発点なのです。

野生の白クマを至近距離で観察

この時期は、野生の白クマたちばかりでなく、彼らの姿を一目見ようと、世界中から観光客や研究者たちがやって来てきます。写真で見るとぬいぐるみのように愛らしい姿ですが、そもそも白クマは地上で生息する哺乳類の中で最大の肉食獣。立ち上がると体長は約2〜2.5メートル、体重は重いときで600~800キロにもなります。町のはずれには「白くま注意」の看板が多く見られるように本来は危険な動物です。そんな彼らを真近で見るために特別仕立ての「ツンドラバギー」と呼ばれる観光用バスが用意されています。雪上や悪路をもろともせず走行する巨大なタイヤを装着したツンドラバギーは、白クマ観察に欠かせません。窓のある位置まで約4メートルの高さがあり、外に出られるデッキも設置され安全に白クマたちに遭遇できるようになっています。

マニトバ州チャーチル

白クマたちからのメッセージ

白クマは現在世界の絶滅危惧希少動物の一種となっています。とくに近年は、地球温暖化 の影響でハドソン湾の凍結期間が短くなったことが減少の一因といわれています。そのため一部では白クマ観光に疑問視する声もありますが、一方では地球温暖化現象の深刻さを体感する絶好のチャンスとも言われています。日本からチャーチルまで最短でも2日を要し、設備の整ったホテルもなければ、街中を自由に歩き回ることもできません。しかし自然という同じフィールドで暮らす人間と野生動物の姿から、得られるものは何ものにもかえがたいのです。

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