アメリカ 留学体験記

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会社を辞めてアメリカに賭けました。


今月の写真
梶野 靖之(かじののぶゆき)
愛知県出身−岩手県立不来方高等学校卒業。10年間の社会人生活を経て27歳で渡米。現在はワシントン州・クラーク大学に在籍中。趣味は裏道散策と写真撮影。将来はアメリカ永住が目標なれど、当面は英語の習得が目標。
ブログアドレス 
http://nkajino.exblog.jp/
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アメリカという異国の地を踏むと、渡航当初は夢の中にいる気分になる。海外では、見るものに聞くもの、食べるものに手にするもの、その全てが珍しいモノばかりだからである。どんな人であれ、新鮮なモノには感動するものだ。それはそれで人生では大変に重要なことだが、海外に出た人間にしか味わえない、もっと大きな経験というのがある。

今回はそんな経験を記していきたい。

私が思う最も重要な経験とは、「海外から日本へ帰ってきた時に感じる印象」である。

これは旅行では味わえない重要な部分がある。旅行から帰ってきた際、大部分の人が日本という現実世界に悲壮感を感じる。旅行がストレスの発散をメインとしているだけに、それはそれで仕方の無いものだが、海外生活を経験してから感じる日本というのは、それとは大きく異なるものである。

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特に、日本の空港に降り立った際に感じる第一印象というのは、海外生活を経験した人だけに得られる最も重要な収穫だという。私は6月、1年半振りに日本へ一時帰国した。海外に長期滞在してから初めての帰国である。住まいが東京だけに最寄の空港は「成田空港」だったが、千葉県警の文字にキヨスクの売店、JRの改札に立ち食いそば屋、自動販売機にさえ興奮した記憶がある。

まるでアメリカへ降り立った当時の感動を、日本に置き換えた感じである。これは海外旅行だけでは味わえない感動であろう。自分の祖国が1%だけ外国に感じる体験。言うなればそんな印象に近いのである。

そこで「あぁ、やはり日本が良いな」と感じることも良いだろうし、「自分には外国が合っている」と感じることも良いだろう。空港で感じる数時間を、自分を再発見するひとつの目安として欲しい。

アメリカへ飛び立つ前の自分は、日本人でありながら、日本という国を「愛想がなく、息苦しい国」と印象付けていた。ただ、前回の帰国で感じたのは日本は「ユーモアもあり、心優しい国」だという異なった印象であった。

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この逆転の感動はなんであったのだろうか。アメリカに再出発する飛行機の中で私は考えてみた。本というのは、読む力がなくてはその楽しさが分からないという。その本が持っている表現力や躍動感を感じ取るには、読む力というのが必要だからである。私が感じたのはそんな事なのかもしれない。日本というひとつの枠の中だけで生活していては、日本という国の良さや、そこから感じる外国の意味を読み取ることは出来なかったのであろう。

本を読む前から「これは面白くない本である」と決め付けては、何も得る事が出来ない。旅行だけしても日本を感じれないのは、本の表紙を見ただけと同じだからである。海外生活で得られるものは、何も英語だけでない。英語なら日本でも学べるもの。海外へ出て学べる事はもっともっと尺度の大きなことである。

帰国した際、家族との再会や家路へ急ぐ場面があるだろうが、その前に一度、出発前の自分と空港で再会してみるのが一番大事なのかもしれない。

留学は意味深い。

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