タムウッドインターナショナルカレッジは、レストランやカフェも多いバンクーバーのダウンタウンにある。ビルの3階にエレベーターで上がると、落ち着いた雰囲気の受付があり、親切な担当者が出迎えてくれた。
トライアルが始まる前に、少し学校を見学させてもらう。教室は6つで、教室の中心には大きなビリヤード台があり、休憩中には多くの生徒が楽しんでいた。
トライアルはインタビューから始まった。
文法、コミュニケーション能力、リスニングそしてボキャブラリーをカナダ人の先生との短い会話で査定してもらい、6段階の最終レベルのクラスに参加させてもらうことになった。
クラスに入ると、日本人は私ただ一人!聞いてみると日本人は今学校内で6人しかいないとのこと。ちなみに現在のレベル6のクラスは韓国人2人、ヨーロッパ系2人、そして南米系8人と圧倒的に南米系の生徒が多い。コミュニケーションと文法の能力によりクラスが分けられることもあるが、それでも現在は南米からの生徒が多いらしい。そのため授業中は皆よくしゃべり、よく質問をする。わからない単語があったときには辞書を引くのではなく、講師に質問をしている。日本人はよく電子辞書などで単語を調べがちだが、彼らは直接先生に質問をする。わからない時には、わかるまで質問するようだ。教室内で電子辞書を見かけないのも印象的であった。
始めの2時間は文法や総合的な英語を学ぶ。
今回の文法学習の内容は直接疑問文と間接疑問文だ。それに加えて過去形と大過去形の違いを学んでいく。まずは文法のミニテストから。ミニテストという割にはなかなか量がある気がしたが、生徒はすらすらと解いていく。しっかりと復習をしているのだろう。あまりとまどっている様子の生徒は見られなかった。
その後はテーマに選ばれた文法学習項目が含まれている記事を読む。 この記事、短いのだがなかなか難しい単語や文法が含まれている。この文章を2分間で読んで、答え合わせ、そして友達同士でディスカッションをする
講師はこのディスカッションの最中に、教室中を歩き回り、生徒の発音や発言を細かく観察し、何か気になるところがあればその場で直してくれていた。もちろん分からないところはその場ですぐに質問が可能だ。ちなみにこの講師は、たとえ休憩中でも生徒の間違いをすぐに直してあげていた。少人数制ならでは、といった感じのアットホームさだ。
その後の授業では、人気ドラマ“Friends”のスクリプトを見ながらの間違い直し。間違って翻訳された文章を正しい形に直していく、というもの。かなり早いスピードで授業は進み、生徒たちもしっかりそれについていくので、気を抜いてはいられない。積極的に発言する生徒が多く、まるでスピーキングのクラスのような活発さだ。
3時間目は発音のクラス。
国籍比率の良さを活かし、違う第一言語を話す生徒同士がパートナーを組み、発音の練習をする。その練習方法は、一人が文章を読み、もう一人がその言っている事をディクテーションするというものだ。これで自分の言っている事がどのように聞こえるかを客観的に知る事が出来るし、第一言語の違いによってどのような発音に弱いかも理解できる。
講師は基礎的な発音の知識から、国籍別の発音の違いまで、かなりしっかり教えてくれる。
4時間目はスピーキングの授業。
トピックは”Conscience”だ。ちょっと難しそうなトピックだったが、誰も恥ずかしがって発言しない、ということはない。しかし我先に!という感じで話は止まらず、すっかり盛り上がったところで授業は終了。まさにあっという間のトライアルレッスンであった。
授業を通して印象的だったのは、国籍のバランスの良さ、そして自由で積極的に授業に取り組む雰囲気である。また講師の教え方はとてもわかりやすく、一人一人の質問に対して熱心に耳を傾けてくれる。「周りが積極的に発言するので気後れしてしまう」、「自分の考えをまとめられず発言できない」、といった不安を持つ留学生は多いと思うが、英語力、会話力アップのためにはまずは話す事。きちんと自分の意見を持っている他国からの留学生と共に積極的に参加することで、英語力だけではない何かを得る事が出来るのではないかと感じた。
授業の後は日本人カウンセラーであるヤスさんによる学校説明を聞いた。TAMWOODの特徴は前述しているように国籍のバランスとアットホームな環境だという。特に冬は日本人の生徒が当校のウイスラー校に転校することが多く、日本人が少ない学校を探している生徒さんに、かなりおすすめだ。もちろん学校に通いながら、スキーやスノーボードを楽しみたい人も是非相談してみてはどうだろう。
当校では、ESLプログラムの他に、ケンブリッジ検定の対策コースやインターンシッププログラムも開講している。特にインターンシッププログラムのCambridge Working Experience Program(CWE)はTAMWOODのみがケンブリッジから認可を受けているプログラム。このプログラムでの就業内容は大学卒業程度のものになる。投資会社や、人権に関する組織で働く場合もあり、受け入れ先からワークビザ取得の提案を受けた生徒もいるという。
タムウッドは、就職活動を行う上で専門校にひけを取らないプログラムの質の高さをもち、 自分の目標を持っているしっかりとした生徒が集まっている印象を受けた。プログラム数を少なく抑えているために、全ての内容に力を入れ、満足のいくものにしている自信が感じられた。