カナディアンライフ

カナダ留学無料カウンセリング日本人一人ぼっち   By Kahoru Noonan(かほるヌーナン) 

湖の声


地面を突き破って出てきたヒヤシンス
地面を突き破って出てきた
ヒヤシンス
氷と氷がぶつかって可愛い音を立てる湖
氷と氷がぶつかって可愛い音を立てる湖

今年3月でこの町に引っ越してきて丸2年になった。新しい家を購入したわけでは無いので、早くも手入れをしたり修理をしなければいけない部分もちょこちょこ出てきて本当に忙しい。バンクーバーの仕事と家の仕事で一日が終わるのがものすごく早く感じられる。

あれは1月の事だったと思う。朝起きて窓を開け新鮮な空気を入れていたら、「カラコロ、カラカラ」と不思議な音がした。何だろうと思ってベランダに出てみるとどうやら湖から聞こえる。パジャマのままボートデッキに行ってみると湖の上の氷たちがぶつかり合って立てている音だと判明。
それはなんとも美しくて癒される音だった。

湖と一緒に暮らしていると湖が季節ごとに違う音を立てているのが良く判る。それを私は「湖の声」と呼んでいる。
春は氷が溶け始める音、夏はボートが通った後に打ち寄せる波の音や人々が水辺ではしゃぐ音、秋は風が強く枯葉が舞って湖に落ちる音、冬の初めは湖が氷り始めて大きな氷同士が互いにぶつかり合って「ギーギー」となんとも神秘的な声がし、真冬はすっかり氷ってシンとする。

先日、近所の人に招かれて彼らのボートデッキで開かれた小さいパーティーに参加した。その時、あの「カラコロ」という美しい音が聞こえた。
水辺では食器類は安全を考えて、陶器やグラスではなく全てプラスチック製の物を使うのが常識らしいが、その時テーブルの真ん中に大きなフルーツパンチの入ったボウルがあった。フルーツパンチとはクランベリージュース(時にはオレンジジュース)にワイン、炭酸水、果物、を混ぜて作る美味しい飲み物だが、その大きなボウルもプラスチック製でフルーツパンチと一緒に入っている氷とぶつかって、あの可愛い音を発てていることが判明した。さっそく今度大きな町に行った時にプラスチック製のフルーツパンチボウルを買おうと決心した。

ベランダに置いた朝食テーブルセット
ベランダに置いた朝食テーブルセット

ベッドルームで朝食を

私達の寝室からは目の前の湖が一望できる。寝る時は厚い遮光カーテンを引いているが寝る前など湖に映る月を眺めたり、また朝早く起きた時はカーテンを開けて日の出をベッドから楽しむ事もできる。この風景をもっと楽しむために朝食のテーブルとイスを寝室に持って来た。時には寝室のベランダにテーブルを出し、そこで朝食を楽しむ。毎朝のメニューは決まっていて、私が週に2回焼くパンのトーストとフルーツサラダとヨーグルト、オレンジジュース。質素な朝食も美しい風景のおかげで豪勢に見える。 日本の両親や弟の笑顔もここにあったらどんなに良いだろう。

記事提供:ウェスト トレック ツアーズ
かほるさんご夫婦が経営参加するツアー会社です。 バスで行く、ロッキーマウンテン、ウィスラー、ビクトリア、トフィーノ、シアトル、ポートランドの旅で一生忘れない思い出を作ってください。 www.westtrek.com

Kahoru NoonanKahoru Noonan(かほるヌーナン)
東京都出身。
日本で勤めていた車関係の会社で出会った一人のカナディアンがきっかけとなり、彼らの文化をもっと知りたくて2002年冬に初めてカナダに来た。とは言え、そのカナディアンの友達が住んでいるのはカナダの東側のオンタリオ州。ガイドブックを見てみると冬のオンタリオはとても寒そうだったので、厳寒にはならないカナダの西側バンクーバーにある英語学校に通うことに決めた。 ツアーで行ったシアトルで現在の夫と出会い、夫の経営する会社でボランティアとして働く事になる。ロッキーマウンテンツアーにガイドとして添乗するようになってから、カナダの自然の偉大さに次第に魅了されていった。2003年5 月に住んでいた家が火事になり、「湖のある家に住みたい」という夫の希望もあって、オンタリオ州に居を移す。バンクーバーに会社がありながらインターネットで会社をオペレートするという変わった方法で会社を維持経営。 家探しの間の約1年間をオンタリオ州Perthに住む夫の父親と同居。この時から夫の父親は大親友となる。2005年2月に念願の湖の上の家を購入後、日本人は私だけという、自然があふれたオンタリオ州の人口200人の小さな町クロイン(CLOYNE)に住むようになる。 kahoru@westtrek.com

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