毎年夏に開催されるバード・オン・ザ・ビーチ・シェイクスピアフェスティバル（Bard on the Beach Shakespeare Festival）は、今年で19年目を迎えたバンクーバーの恒例行事。バラード橋脇にあるヴァニエ公園内の屋外テントで、シェイクスピアのライブプレイを鑑賞することができる。

テント内は、階段状に設置された客席が舞台を囲み、どこからでも舞台を見下ろせるようになっている。特に感動したのは、舞台の奥にイングリッシュベイの夜景をみることができることだ。夜景を見ながら観劇とは、なんと贅沢なことだろう。

今年の演目は「リア王」「十二夜」「テンペスト」「タイタス・アンドロニクス」の４作品。一日の興行は、悲劇と喜劇の両方が用意され、大小２つのテントで同時に行われる。今回観賞したのは、喜劇の代表作「十二夜」。劇設定が1920年代ということで、会話や衣装に古典の堅苦しさを感じることは全くない。俳優のコミカルな動きや歌に、劇場内は笑いと拍手の絶えることがなかった。英語劇を理解できるか多少不安のある人は、前もってあらすじを少しチェックしておくと、より一層楽しむことができるだろう。また、同じ作品でも演出によって全く違う設定になっているので、他の演出と比較してみるのも面白いかもしれない。

入口からすぐのテントでは、さまざまな種類のシェイクスピアの本や、ここでしか手に入らないTシャツなどの限定商品を買うことができる。スターバックスの臨時店舗やワインコーナー（グラスワイン$5.50）もあるので、軽く飲食をしながら鑑賞することも可能だ。

「BARD ON THE BEACH」は、9月27日まで開催中。昼公演（$18）と夜公演(＄33)に分かれていて、それぞれ日によって開催演目が異なる。チケットは、電話・インターネットで購入可能。座席は指定ではないのでいい席を確保したい場合は少し早めにいって並ぶことをお勧めする。バンクーバーの長い夜を、少しシェイクスピアの世界に浸って過ごしてみてはいかがだろうか。