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連載 ユーコン川、カヌーひとり旅


杉田えいすけ さん

アラスカ・北極圏とカナダの略図~旅行日程表

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 アラスカ・カナダ流ハイキング

ユーコン川、カヌーひとり旅

プリーザンキャンプ場で一泊することにした。
ここまでは、わりとフラットな湿地帯と森林だった。翌日、さらに4~5キロ行くと、森林限界を超えて、岩と苔だけの世界になる。ピッケルやロープなど特別な装備なしでの山歩きを「トレッキング」という言葉で僕は認識していたが、アラスカでのそれは、「ハイキング」という言葉であることに初めて気がついた。

 トレッキング中に知り合った親子
トレッキング中に
知り合った親子

この当たり一帯はハイキングに出かける地元の若者を多く見かける。
若い女性だけで来る者、家族でやってきている者やカップルで来た人々にもよく出会った。僕は、家族で訪れている小学生くらいの子供を見かけたが、小柄な女の子でも、その子の荷物は、その子自身が背負っていた。親の教育にそういう妥協がないようだ。その子の体と同じくらいの荷物を背負って歩く少女の顔が、すでに一人前の顔つきだったのがとても印象深かった。大人達は、その子供のゆっくりと歩く速度にとことん付き合い、何日かかっても構わないといった姿勢だ。その歩行スピードでは全行程で一週間くらいかかるかもしれないと思ったが、それでも、彼女に出来る範囲のペースでの山行を家族が支えつつ進んでいる。おおらかに、そして強く育てていくのがアラスカ流なのだろうか。僕の心に強く印象が残った。

レッドベリー
摘み取って集めた
野生のレッドベリーの果実

野生のレッドベリーやブルーベリーを摘み取り、食べながら進んでいくと、高度が増すにつれ空気の質が変わってきたことを感じる。


チルクート・パス
夏が終わればアルパインツンドラは、紅く染まって秋とともにすぐに冬がくる。
デナリ・アイルソンにて!

やがて、急登のガレ場が雪をかぶって待っていた。この峠がチルクート・パス(峠)だ。そこを、登りつめると峠の向こうから目が覚めるような大きな風が通り抜けた。
そこには、さえぎることのない荒野が僕の視界に広がっている。ゴールドラッシュのころ、金鉱堀たち(ガリンペイロ)は夢と希望を抱きながらこの峠を越えて、ドーソンへとむかって吹いていく風に誘われるように歩いたのだろうか。

チルクート・パス
小さな沢が流れ出して本流へと注ぐ。デナリ・アイルソンにて!

このチルクート・パス(峠)は国境線であり、その先からがカナダだった。景色は一変し、雪渓から溶け出した水がコバルトブルーの湖となっては、流れが細くなり、また湖となっては、細く流れることをくりかえしていた。


キャンピング
  カナダ・アラスカでの
安いビール

僕も、追い風に押されながら、その不毛の大地を前に歩いていった。ディープキャンプ場でテントを張りキャンピング。
その日の幕営地を決めたのは夕方の6時だったが、白夜のせいでまだ西日にすらなっていなかった。キャンプ場では各地から来たキャンパー達みんなが加わって輪になって雑談する。ろくに英語も話せない僕も、あたりまえのようにそこの輪に入れるのがうれしかった。(続く)

 

杉田えいすけ さん杉田えいすけ さん
福岡出身。九州産業大学で写真を専攻。自転車、登山、ロック・クライミング、カヤックが大好き。現在、税理士の資格取得に力を注ぐ福岡の自転車メッセンジャー。“九州のへそ”人吉で税理士事務所の設立とマイ・ログハウスづくりを夢見る。
www.e-adventurous.com


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