マイケル・ムーアのカナダとアメリカ


 

「カナダ人ってのはおかしいね。カナダはアメリカとの国境線上にあるのにアメリカとは正反対で、アメリカ人が全面的に自分たちもそう“なりたい”って思う国なんだ。ところが、カナダ人は反対にアメリカ人になろうと一生懸命なんだから、変だよね」

マイケル・ムーア
(社会派ジャーナリスト、ドキュメンタリー映画監督、テレビディレクター・プロデューサー)

「ボウリング・フォー・コロンバイン」、「華氏911」、「シッコ」などの作品を生み出した
社会派ジャーナリストのマイケル・ムーアはこのように語っているが、このコメントはアメリカ側からもカナダ側からも文句が出るはすだ。

まず第一に、カナダのことをうらやましく思うアメリカ人などは1%にも満たないだろう。だって、カナダのことを知っているアメリカ人すらほとんどいないから。
そして、「アメリカ人になりたいですか?」って聞かれて「絶対なりたい!」って答えるカナダ人もほとんどいないはず。確かにカナダにはアメリカンコンプレックスがあって、アメリカの真似をしたがることも多いのだけど、それは、自分たちに都合のいいことだけを真似させてもらっているだけの話で、「アメリカ人じゃない」ってことが、カナダ人であることのアイデンティティーなんだから。

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アメリカ人はMySpace
カナダ人はFacebook


 

アメリカではインターネットユーザーの約半分がソーシャルネットワーク(マイスペースやフェイスブック)を使っているが、カナダでも、昨年だけでも680万人がソーシャルネットワークを使い出し、その数が年々急増している。

興味深いのは、アメリカではマイスペースの利用度が圧倒的に高いのに比べ、カナダでは、フェイスブックの人気が断然強いことだ。カナダではインターネットユーザーの25%にあたる800万人がフェイスブックを使い、フェイスブック利用者総数(5700万人)の15%をカナダ人が占めている。

調査を行ったSolutions Research Groupの説明によれば、マイスペースは不特定多数の人たちに出来るだけ多くの情報を配布できることをセールスポイントとしているのに対し、フェイスブックはすでに知っている人たちとの間で情報交換することに焦点を当てていることが、カナダ人の気質にマッチしている、とのこと。

新しい友達を求めて積極的に自己PRするアメリカ人と、知り合い同士で話し合うことの方に興味を感じるカナダ人との違いが出ているようだ。
ちなみに、カナダ人のソーシャルネットワークユーザーの約半数は30歳以上で、ユーザーの年齢層が広がってきている。

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