この冬は心配したほどの雪はまだ降っていませんね。雪が降ると、私は車で毎日動いているのでとても大変なのですが、空から舞う花びらのような 雪や、林や森があっという間に白い世界になるさまは、
ため息が出るほど美しくて、見惚れてしまいます。空を見上げて、真っ白な空間から、たくさんの雪が散ってくるのを見つめていると、自分が異世 界にいるような気もします。
雪が積もってくると、周りの音が吸収されて、いつもよりずっと静かになりますね。しんしんと冷える真夜中、ふと目が覚めた時、外があまりにも 静かで雪が降っているのに気がつくこともよくあります。
いつもの夜中の静けさとあきらかに違う、とても不思議な静けさが雪の降る夜にはあるのです。
雪が困るけど、嫌いじゃない、そんな人はいっぱいいるのではないでしょうか。
でも、この冬ばかりは日本が雪の少ない年ならいいのになぁ、と思います。 被災地はまだまだなにも直されていないのと変わらないくらいの状況 です。仮設のプレハブは寒さも厳しいでしょう。
年末、宮城県の仮設住宅に皆さんから寄付していただいたストールやマフラー、靴下をたくさん送りましたが、仮設の被災者の方からお手紙をいた だき(春以降、連絡を取り合っている方)、仮設は
津波の届かない、かなり高台にあるそうですが、坂がきついので、雪がふると滑って怖い、と書かれてありました。震災の影響を受けない、またも し何かあっても大丈夫な場所を選定して仮設を設けてあるのでしょうが、それはそれでまた大変な面もあるのですね。年配の方が多いだけにまた心 配です。雪のせいでお風邪をめしたり、転んで怪我をされたりしないように、雪の少ないおだやかな冬を祈ります。そうして、早く春が来て、被災 地の生活にも本当に穏やかな春がきますように。
そのためにも今年の冬ははやくおわってほしいとより強く願います。
被災地に降る雪も、また静かに降るのでしょう。今もなおどこかに眠る方の上にも、残された家族の寂しい思いの上にも同じように静かに静かに雪は降るのでしょう。多くの方の様々な思いを、声を、包み込むように降るのでしょう。その雪が溶ける頃に芽生える命と共に、みんなの心にも生き る力が育ちますように。