ローストマシュマロ食べたい

  ６月初旬から８月上旬までは雨がまったく降らずにカンカン照りの日が続いた。カナダでは小さな火が大きな森林をトコトン破壊する例も少なくないので雨が降らない日が続くと｢ファイヤーバン オン｣といって、野外でのBBQもｷｬﾝﾌﾟﾌｧｲﾔｰも禁止されてしまう。カナダ人でキャンプが嫌いという人は私の周りでは少なく、特にこの時期はカナダの大自然を満喫できるキャンプ場は大賑わいになる。
　キャンプでは多くの人が野外で火を焚いて食事やマシュマロローストを作るのが恒例だけどファイヤーバンがオンの時はそれさえもできない。
　ファイヤーバンがリフトされるまではおとなしくしていなければならないけど、今回のように長期に渡ると人々の不満の声も聞こえてくる。 ファイヤーチーフの指示でファイヤーバンがオンになった事を人々に伝えるのも私たちの仕事の一つ、そして人々の不満の声を聞くのも仕事の一つでもある。 少しくらいの雨ではファイヤーバンはリフトされないので、少し雨の降った次の日にはファイヤーバンがリフトされたか否かの問い合わせの電話で忙しくなる。

　今回は1ヶ月以上も続いたのでオフィスに来たファイヤーチーフからファイヤーバン リフトの指示があった時はああ良かったとホッとした。ホッとしたのは私たちタウンシップオフィスで働く全員だけではなく、庭の芝生や木々も同じらしい。茶色になりかけていた芝生も青々と、森の木々も生き生きとして見える。これで子供達もｷｬﾝﾌﾟﾌｧｲﾔｰを囲んで作るローストマシュマロを食べることができる。

ファイヤーバンがリフトされて

  たくさん雨が降り出してファイヤーバンがリフトされたのは良いけれど、それに伴って気温も下がり湖で泳ぐ回数も減ってしまった。家の前の湖は五大湖の一つのオンタリオ湖の次に水深が深いので回りにたくさんある他の湖よりも水温が低い。雨が降るとその水温もグッと下がってしまい泳ぐのを躊躇してしまう。

甘い物があまり好きではない私はローストマシュマロよりも湖で存分に泳げるほうが嬉しいので、木々や花は雨が嬉しいのは分かってはいるけれどもそういった意味ではちょっと寂しい。
それでも美しい星空に向けて放つ花火はとても美しく、ｷｬﾝﾌﾟﾌｧｲﾔｰを囲んで料理を作ったり歌を唄ったり話をするのはとても楽しい。自然と言うのは雨が降ったり降らなかったりでちゃんと調整をとっているのであろうから人間はそれを受け入れて賢く振舞った方が良さそうだ。