カナディアンライフ
カナディアンライフアイウエオな毎日 その34 By Michelle Igarashi

をむいて怒る気力は今はなし」


目をむいて怒る気力は今はなし 日々いろいろな出来事が起こります。怒ったり泣いたり笑ったり、喜怒哀楽の移り変わりは若いほど激しいのではないかと近頃とみに感じます。年寄りは怒りっぽい、などといいますが、たんに自分の感情や行動が若 い頃のようにストレートに出せなくて、焦りや苛立ちが出てしまうだけ、のような気がします。子供が巣立ってゆくと、家庭のイベントも少なくなりますし、大きな動きも減ってきます。人付き合いも減ってくると、感情の起伏もなくなってゆくような…。喜怒哀楽を はっきり出せるのはかなりエネルギーが要ります。特に怒リの感情は大きなエネルギーを要します。いろいろな憤りを感じていた頃よりも、時間がたつことで、経験値が増し、起こる必要もない、と気がつくことが増えてきます。
少し傍観できるのは、大人時間がかなり過ぎてからかもしれません。それはある意味、人としての熟成度をあらわすのかもしれませんが、それとは異なり、怒るという力が 出なくなっている、ということも多々あると思うのです。

目をむいて怒る気力は今はなし他の方々はわかりませんが、少なくとも私はそうなってきた気がします。わたしの仕事は若い方の若い命の力強さを目の当たりにする仕事です。妊娠、出産、育児はおそらく人生の中で最大級のエネルギーを必要とします。生まれ、育ってゆく若い命は、親やまわりのエネルギーをどんどん吸収して育ってゆきます。
だからこそ、子供たちが大きくなった時、自分の中のエネルギーが随分減ってし まったことに気がつくと、愕然としてしまいます。それでも、子供たちの幸せを願うのが親ですから、子供のために自分のエネルギー が失われていったとしても決して後悔はしていません。
ただ、日々の暮らしの中で、今まで当たり前にやってきたこと、できたこと、できることが確実に減ってしまっているのは、仕方ないとはいえ、寂しいことですね。

目をむいて怒る気力は今はなし 明日どんなことが起こるかは誰も予想できません。昨日と同じ今日、今日と同じ明 日はけっしてありません。だからこそ、今日という1日、いまの時間を愛おしみ、大切にして過ごさなければなりません。自分の残り時間を意識してしまうのは、年をとった証拠かな。今日1日を大事にするのは、若い人も年寄りも同じですが、長い未来として意識して夢を 持つ力は若い人だけのものです。どこまでが若くて、どこからが年なのか、その基準はわかりません。これはそれぞれ、持っている意識の違いでしょう。それなら少しでも長く若い意識を持てるなら素敵ですね。
きっと。明日を信じる力を持っていることなのですから。
私は…どうかな…ちょっと若くないかもしれません(笑)



Michelle IgarashiMichelle Igarashi
カナダ在住の日系人の皆様のための医療アドバイス、妊娠、出産のサポート、産後のケア、母乳マッサージ、授乳指導、ベビー検診、育児指導、離乳食指導、応急処置クラスなどを随時開催しております。

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