アメリカ東海岸へ
魚介類のシチュー
カナダのオンタリオ州には海がないので日本では普通に食べられるような新鮮で美味しいシーフードもめったに食べられない。値段の高いレストランで一度冷凍して解凍された魚を出されるとがっかりする。
子供の頃祖父母の住む南伊豆で朝のお味噌汁に入れる貝を採ったり、海の中でタコを捕まえたり、カニ網にかかったイセエビやイワシの大群を岩の上から網ですくってそれを祖父にさばいてもらって食べていた頃が懐かしい。ウニは海の中で食べる物だと子供の頃は思っていたけど、すっかり状況が変わってしまった。
日本に頻繁に帰国できないのでだんだんと「ああー海が見たい!美味しい魚を食べたい!燈台が見たい~!」と心の叫びが聞こえてきたので、ここから一番近い大洋である大西洋へ旅行することにした。
大西洋に向って建つお金持ちの人の家
まずここから1時間半くらいにあるアメリカ国境を越える。カナダの永住者でも市民権を持っていない私は日本のパスポートを保持している。そのため陸伝いにアメリカへ渡る場合には毎回車から降りて6ドルを払い、両手の指紋と写真を撮られる。こんなに近いアメリカでも面倒くさい手続きをしなくてはならないのがやっかいだ。
さて、無事に国境を越えて初めての州はニューヨーク州。誰もがニューヨーク市を想像するけど大半のニューヨーク州はのどかな町が多い。出発が午後だったので一泊目はニューヨーク州のレイクプラシッドという昔オリンピックの会場になった町に泊まった。
朝ごはんを食べてバーモント州へ向けて出発。日本のバーモントカレーと由来があるのかは分からないけど果物とスキー場で有名らしい。次の州はニューハンプシャー州。紅葉の時期には素晴らしいであろう山と丘がたくさんあり紅葉の終わった今でもとても美しい所だと思った。そして目的の地、メイン州へ2日目にたどり着いた。
メイン州産ロブスター
メイン州はアメリカ東海岸の大西洋沿いにある美しい州でロブスターだけでなく美味しい魚介類と灯台で有名な場所。北米は東側から開拓されていったので歴史のある建物がたくさんある。1700年代からある町が大半で、1700年代に建てられた家にまだ住んでいる人もいる。
メイン州のフリーポートという町は日本でも有名なアウトドア―専門の「L.L.ビーン」発祥の地でアウトドア―好きにはたまらない商品が1日かけても全部見ることはできないだろうというくらいに並んでいる。この町は大きなアウトレットモールになっていて有名な会社の商品を割安で買うことができる。リーボックのスニーカーが欲しくて入ったリーボックのビルは来週店じまいするからという事で80%割引セールになっていた。千円以下で買ったスニーカーはとても履き心地が良い。
安くて美味しい魚介類、美しい大西洋、歴史のある灯台、親切な人々、メイン州に住んでも良いなと思ってしまったくらい大満足の旅になった。