6000～7500万年前に恐竜が生息していたバッドランドと呼ばれるアルバータ州ドラムヘラーは、数百年の昔に形成された、浸食でできた地層がむきだしの険しい谷に、さび色をした砂岩の土柱「フゥードゥー」が立つ別世界だ。 このドラムヘラーに、恐竜とバージェス動物群の化石の展示で世界的に有名なロイヤル・ティレル古生物学博物館がある。

この博物館は、古生物時代の魚の標本から恐竜の骨格まで、39億年以上の地球の生命の歴史を振り返る展示物をそろえている。ステゴサウルスやティラノサウルス、アルバートサウルスなどを含む50体以上もの恐竜の完全骨格と200点以上の化石の標本なども展示されていて、展示物の中で「Hands On」と示されたものには、直接手で触れることができる。恐竜が生存していた当時の自然を再現した600種以上の植物からなる植物園などの臨場感あふれる展示や、石膏を使って実際に化石標本を作る体験プログラムも人気が高い。
博物館の近くには、世界自然遺産のアルバータ州立恐竜自然公園があり、世界でも有数の完全な骨格の恐竜の化石が数多く発見されており、公園内に置かれた同館のフィールド・センターでは発掘された化石の展示や実際の発掘作業の見学ツアーが行われている。
カルガリーからバスでアクセスするロイヤル・ティレル古生物学博物館は、大人から子供まで家族そろって楽しめるカナダならではの観光スポットだ。