今回は閑静なギャラリー街、W 2nd Streetにあるオーガニック日本食レストラン( Sawa Tea Lounge & Gallery)を訪問した。
茶話と書いて、SAWAと読む。この間、3周記念を迎えたばかりのお店だ。

カナダに来てからオーガニックに興味を持つ人は少なくはないだろう。より健康な生活、より地球に優しい生活を送りたいと思っている人は多くいる。茶話のオーナー、るり子さんもその一人だ。

「オーガニックに関わると、社会全体に関わることになる。長い間、消費者向けの見栄えのいい食品や、安い食品が販売され、有機栽培の出る幕がなかった。茶話では安全な食事を提供したい」

染織家として活躍していたるり子さんがオーガニックに興味を持ったのは、親しい友人の影響と自身に子供が生まれた事がきっかけだった。元々、染料も天然のみを扱っていて、お茶も染料の一部なのだという。3年前ギャラリーを作りたいと思っていた事が発端となり、茶話をオープンすることとなった。

茶話にあるお茶は約60種類。もちろん全て有機栽培のお茶だ。カナダと日本の佐賀、静岡、京都などから取り寄せている。メニューは抹茶セット$3、ほうじ茶セット、煎茶セット$4とお手頃だ。サイドに桜餅、どら焼きなどがついている。奥にある囲炉裏のテーブルで、尺八を聞きながら頂くお抹茶はカナダにいながら日本を楽しめる最高の時間となるだろう。

お腹がすいたら、オーガニック丼セットを頼もう。 ワイルドサーモンのみを使ったサーモン丼$6.50。セット（$8）にすれば、オーガニック味噌を使ったお味噌汁、サラダがつく。お米は玄米と白米、どちらからも選べ、健康意識の高いカナダ人のリピーターが多い。他にも、豆腐丼、牛丼、スパイシーチキン丼、野菜丼、そぼろ丼など多数揃えている。何より懐かしいのが、おにぎりセット。こちらは希望で梅、鮭、こんぶの中から2つ選べる。その場で作ってくれたおにぎりを熱々のまま食べよう。

ここへ来るお客の大半は、カナダ人である。日本文化に興味をもち、実際日本に住んだ人々もいる。ここへ来てすぐに帰る人はいない。みんな何か語り始め、緩やかな時間を楽しみ、お茶を楽しむ。会話を通じて人間同士が繋がり、そこにおいしい食事がある。健康とは心も体も豊かであることだ。

ギャラリーも併設しているこのカフェは、カナダで活躍するアーティストの作品にも触れられる。ほのかな明かりに、洗練されたアート作品が並び、そこにいるだけで幸せな気持ちになってくるから不思議だ。アーティスト展示作品は随時募集中とのこと。

また茶話では月に1回、女性による乳がんの集いも行っている。実際に経験した方、興味のある方、誰でも参加出来る。次回は5月14日。

「世の中をよくしたい」そう願うるり子さんの想いは、食を通して、また人々の心を通して叶っていっている、そんな想いを胸に茶話を後にした。