トラベル記事
  アート&カルチャー探訪の旅  


夏休みを間近に控えて、カナダを代表する美術館や博物館が、新たな企画をそろえて世界からのビジターを待っている。情報を先取りして、夏のスケジュールに役立てよう。ともだち同士で訪れても、家族で訪れても、小さな子供からお年寄りまで楽しめる展示会やイベントで盛りだくさんだ。秋からの数々の素晴らしい展覧会にも注目!

オンタリオ州

トロント


ロイヤル・オンタリオ博物館
Royal Ontario Museum
100 Queen's Park, Toronto, Ontario M5S 2C6
Tel: 416-586-5549
www.rom.on.ca/

アール・デコ(1910-1939) Art Deco
イギリス、ロンドンのビクトリア・アンド・アルバート美術館と共同で企画した展覧会で、アール・デコ時代を代表するアーティストの作品を250点以上集め、カナダで初めてアール・デコの世界を総合的、歴史的に紹介する。1925年に開催されたパリ近代装飾アンド工業アートや、1939年にニューヨークで開催されたワールド・フェアも紹介。
9月20〜2004年1月4日まで。


オンタリオ美術館
Art Gallery of Ontario
317 Dundas Street West, Toronto, Ontario M5T 1G4
Tel: 416-979-6648
www.ago.on.ca/

先住民族と開拓者の交易の歴史展
「ミーティング・グランド」 Meeting Ground
1600年から 1845 年まで、五大湖と周辺の森林地域は先住民族とヨーロッパから来た開拓者が毛皮の交易を行う出会いの場所だった。交易が始まった当初は親密な提携関係を結び友好関係が続いていたが、18世紀の後半になると政治的な意図から先住民族への迫害が始まった。この展示会では双方の生活を象徴するコレクションや工芸品を通じて、複雑な関係をしのぶことができる。

「トム・トンプソン展」 Tom Thompson
カナダを代表する画家であるグループ・オブ・セブンの一人 トム・トンプソン(1877〜1917年)のスケッチや作品を140点展示。これまでに数多く行われたトム・トンプソン展のなかでは最大となっている。
5月30日から 9月7日まで。


カナディアン・オペラ・カンパニー
Canadian Opera Company
227 Front Street East, Toronto, Ontario M5A 1E8
Tel: 416-363-6671
www.coc.ca/

マービッシュ・プロダクションズ Mirvish Productions
Tel: 416-872-1212
www.mirvish.com/

「アイーダ」 Aida
エルトン・ジョン作曲ティム・ライス作詞による、ロマンチックなミュージカル・コメディー。戦争の捕虜になったプリンセス、アイーダを助けたラダムスが、恋と友情のはざまで悩む。
5月7日から31日まで。

「シカゴ」 Chicago
ブロードウェイで最高の人気を集めオスカーを始めトニー賞、オリバー賞 、グラミー賞など数多くの賞に輝くあのシカゴ!ロンドン、メキシコシティ、モスコワ、ベルリン、東京と世界のファンを魅了してきたパフォーマンスをライブで観よう!
9月1日から10月31日まで


オタワ


カナダ国立美術館
National Gallery of Canada

380 Sussex Drive, Box 427 Station A, Ottawa
Tel: 613-990-1985
www.national.gallery.ca/

「アート・オブ・ディス・ランド」 Art of This Lnad
太古から1970年代までの先住民族の装身具、服飾、工芸品、日用品、彫刻、絵画などを一堂に。
4月5日から2004年1月5日まで
入場無料

「6歳から8歳までの1日キャンプ」 Summer Day Camps - Summer in Paris
工作やお絵かきをしながら一週間を楽しく過ごす子供用プログラム。
8月11日から15日まで(午前9時から午後4時まで)
参加費用は150ドル。25人まで参加可能。


カナダ現代写真美術館
Canadian Museum of Contemporary Photography

1 Rideau Canal, Box 465, Station A, Ottawa
Tel: 613-990-8257
www.cmcp.gallery.ca/

「コスモロジカル・シャドウズ」 Bill Vazan: Cosmological Shadows
トロント生まれのビル・ヴァザンは、ケベック州を代表するアース・アーティストで、1970年代から「人間と空間」をテーマにした自作のアースアートを写真で発表してきた。
5月17日から9月7日まで



ブリティッシュ・コロンビア州

バンクーバー


マクミラン・スペースセンター
HR MacMillan Space Centre

1100 Chestnut Street, Vancouver
Tel: 604-738-7827
www.pacific-space-centre.bc.ca/

パイロットとして飛行機を操縦するバーチャル体験ができるバーチャル・ボヤージ・シミュレータ Virtual Voyages Simulator が話題を呼んでいる。ローラー・コースターに乗ってスリル満点な旅に出発しよう。この究極のバーチャル・ワールド Wings: The Ride は、人類の飛行の歴史100周年を記念し企画されたもので、数々の歴史にのこる戦闘機、Fー16などをコックピットで操縦できる。スリル満点、楽しい思い出になること間違いなし。また、スペース・シャトルのクルーとして地球の未来のために、彗星を視察しに出かけるコメット・インパクト!もお勧めだ。
6月27日まで。

プラネタリウム・スケジュール
ロケット・マグロウ:スペースバード! 正午
フライ・イントゥー・ザ・フューチャー:人類飛行の歴史・未来 1:00pm
ピンク/インシンク/ネリ−・ファタ−ド:レーザー・ポップ・パワー 2:00pm
カルメン・サンディエゴ II は宇宙のどこにいる? 3:00pm
ナイト・ウォッチ:宇宙飛行士の情熱 4:00pm


バンクーバー海洋博物館
Vancouver Maritime Museum
1905 Ogden Avenue, Vancouver, BC V6J 1A3
Tel 604-737-2621
www.vmm.bc.ca/

豪華ライナー・クルーズ船の旅
The Fabled inside Passage Luxury Liners and Cruise Ships:
presented by The North West Cruise Ship Association
クロンダイク・ゴールドラッシュ時にはワシントンとBC州の掛け橋となったクルーズ船の歴史などが学べる展示では、20世紀そして21世紀における最もポピュラーなクルーズ船の乗船体験が可能。
6月1日まで。


バンクーバー・アートギャラリー
Vancouver Art Gallery

750 Hornby Street, Vancouver, BC V6Z 2H7
Tel: 604-662-4700
www.vanartgallery.bc.ca/

バンクーバー・アートギャラリーは、1億ドル相当の7000点以上のコレクション数を持つカナダ西部においては最大規模の美術館だ。

Emily Carr エミリー・カ−:
Art、Place、Culture

20世紀の北米を代表する女性アーティスト、エミリー・カー(1871 〜 1945)、は自然風景画をはじめBC州の先住民の文化を反映したウエスト・コースト・モダニズムの代表として有名である。カーの作品はバンクーバーの歴史を知るためにも大変興味深い展示であるためぜひ鑑賞したい。


バーナビー・ビレッジ・ミュージアム
Burnaby Village Museum

6501 Deer Lake Avenue, Burnaby, BC V5G 3T6
Tel: 604-293-6500
www.city.burnaby.bc.ca/visitors/events/index.html

ジョギングにサイクリング、セイリング、インライン・スケート、カヌーやカヤック、夏を代表するレクリエーションが満喫できる美しい公園にあるバーナビー・ビレッジ・ミュージアム。バンクーバー郊外のバーナビ−市の夏のイベントを紹介しよう。

7月1日 カナダ・デー:入場無料 場所:リッチモンド・パーク
7月6日 19th ディスカバリー・デー・フェスティバル 場所:ディア・レーク・パーク
7月13日 バーナビー・ガーデンツアー
7月25日 バンクーバー・シンフォニー・オーケストラコンサート 場所:ディア・レーク・パーク、午後7時30分より、入場無料)
7月26日 バーナビー・ブルース・フェスティバル 場所:ディア・レーク・パーク、午後2時から10時まで。
チケットの予約は 604-205-3000まで。


バンクーバー博物館
Vancouver Museum
1100 Chestnut Street, Vancouver, BC V6J 3J9
Tel: 604-736.4431
www.vanmuseum.bc.ca/

チャイナ・アンド・ビヨンド:The Legacy Of a Culture
遥かこえて中国:文化の伝統
中国の伝統は今日いたるところで、影響が見られるがその原点となる中国の陶器や彫刻、絵画の展示。中には12世紀のものもあり興味深い。

刺繍が語る人生模様:インドの砂漠物語
Through The Eye of a Needle: Stories from an Indian Desert
インド西部のパキスタン国境にあるクッチ砂漠(Kutch Desert)では、砂漠での生活を女性達が刺繍にしている。彼らの過去、現在、未来がすべて刺繍として語り継がれていく。素晴らしい刺繍の作品とともに写真、ビデオも鑑賞でき、クッチ族の人々の伝統と文化が学べる。
9月1日まで。


ビクトリア


ロイヤル・ブリティッシュ・コロンビア博物館
Royal British Columbia Museum

675 Belleville Street, Victoria
Tel: 250-356-7226
http://rbcm1.rbcm.gov.bc.ca/

恐竜の化石:恐竜が中国を支配していた時
Dragon Bones: When Dinasaurs Ruled China
ロイヤルBC博物館では、世界で2つの博物館でしか展示が許可されていない珍しい中国の恐竜の化石が展示されている。実物大に再現された22メートルのマメンチサウラスの骨は迫力満点。2階展示場の受け付けで頼めば日本語オーディオツアーも可能なので、英語が苦手な人には心強い。
9月15日まで。


グレーター・ビクトリア美術館
Art Gallery of Greater Victoria

1040 Moss Street, Victoria
Tel: 250-384-4101
www.aggv.bc.ca

日本のプリント・マスターズ:よしだひろし & よしだとし
Japanese Print Masters:Hiroshi Yoshida and his son Toshi
浮世絵に影響を受けた印象画家として有名であったHiroshi Yoshida(1876-1950)と、その息子Toshi Yoshida(1911-1995)の作品の展示。日本の伝統を意識しながらもインド、アジア南東、中国、ヨーロッパ、北米の景色を取り入れた作品の数々はたいへん興味深い。息子のToshiはノバスコシア州で教師として活躍していたために多くのカナダ人学生の共感を得ている。
6月6日〜9月14日まで



アルバータ州

カルガリー


カルガリー・サイエンス・センター
Calgary Science Centre
701 - 11 Street S.W., Calgary, AB
Tel: 403-268-8300
www.calgaryscience.ca/

6才〜8才児対象サマーキャンプ:"Out of this World" Summer Camp Program
カルガリー・サイエンス・センターでは小学生が夏休みを有意義に過ごせる様に、宇宙について学べるサマーキャンプを企画している。宇宙飛行士も体験する宇宙空間で起こる物理的変化、無重力体験など、楽しく遊びながら学べる1週間のデイ・プログラムは登録料$175。
7月2日から8月29日まで。


ヘッド・スマッシュド・イン・バッファロージャンプ
Head Smashed In Buffalo Jump - Interpretive Centre

Tel:403-553-2731
www.head-smashed-in.com

カナディアン・ロッキーが大平原と出会うところ、アルバータ州フォートマクレオドから西に18kmに、バッファローのジャンプで有名なヘッド・スマッシュド・イン・バッファローHead Smashed in Buffaloという場所がある。この場所は1981年にユネスコにより世界の遺産地域に指定されているが、カナダの原住民の文化を体験できる貴重なイベントを紹介しよう。

6月21日 ナショナル・アブオリジナル・デー:National Aboriginal Day
ドラム、ダンス、先住民の伝統ゲームなどを通して交流が深められる
7月2日〜8月27日 (毎週水曜日の午後、プラザレベルにて)
先住民ドラム・ダンス・デモンストレーション
:Drumming and Dancing Demonstrations
8月9日 ワールド・インディジネス・ピープル・デー:World Indigenous People Day
歌・ドラム・ダンスを楽しみながら、北米そして南米の先住民の文化を祝う。



ケベック州

ケベックシティ


ケベック・サマー・フェスティバル
Quebec Summer Festival

Tel: 418-523-4540
www.infofestival.com

北米で最も重要なパーフォーマンス・アート・イベントとまでいわれるミュージック・フェスティバル。20カ国から500人のミュージシャンが集まり、ポップス、ロック、クラシックなど、町中の施設を使って屋外と屋内でコンサートが行われる。大人から子供まで、フェスティバル・ムードで夏を楽しむなら、このイベントは見のがせない。
7月3日から13日まで。


ケベック文明博物館
Tel: 418-643-2150
www.mcq.org

地球温暖化を考える:Under The Weather
地球温暖化がここ最近問題になっているが、人々の生活が気候に与える影響を様々な角度から研究できる。グリーンハウス効果とは?生態系はどのようにして崩れつつあるのか?展示物は見たり触ったりしながら体験しながら地球に対する理解が深められるよう工夫されている。
9月1日まで。


モントリオール


モントリオール・サイエンス・センター
Montreal Science Centre

Tel: 514-496-4724
www.MontrealScienceCentre.com

進化を続けるテクノロジー
Exploration in Progress:Technology Exhibitions The House Explored:
When house appliances reveal their secrets
日常生活には欠かせない電気、電話、車、コンピューターなど。その秘密をさぐる。楽しみながら学べる展示や実験がいっぱいで子供から大人まで楽しめる。


モントリオール・ジャズ・フェスティバル
Festival International de Jazz de Montreal

Tel: 514-871-1881
www.montrealjazzfest.com

シカゴ・トリュビューン紙が「世界最高のジャズ・フェスティバル」と称するこのフェスティバルには、世界の有名アーティストも出演し、500以上のショーを繰り広げる。無料のストリート・コンサートもあり、モントリオールの町はジャズ一色になる。
6月26日から7月6日まで。