初めての就職活動昨年の11月半ばを過ぎるころから、バンクーバーにある3つのスキー場が次々とオープンし、いよいよ小林さんが心待ちにしていたスキー・シーズンが始まった。 履歴書を書くカナダで仕事を探すには、日本と同様、履歴書が大きなウエイトを占める。北米では、履歴書にカバーリング・レターと呼ばれる一枚の手紙を添えることが習慣になっている。そのカバーリング・レターに、小林さんは学生時代のアルバイト経験や、前職で礼儀と作法について学んだこと、接客業に携わりたいことなどを書いて、自分の能力とやる気をアピールした。また、就職希望の会社のオーナーが日本人と思われる場合には、日本語の履歴書も用意した。 就職活動カバーリング・レターと履歴書は作ったが、実際に仕事を探し出してみると、外国での就職活動は予想以上に難しかった。 初めての仕事小林さんが働くことになったレストランは、留学生に人気のあるバンクーバーのロブソン通りにある。寿司、牛どん、照り焼きチキンなどがテイクアウトできる小さな店で、客層はアジア人とカナダ人が半々だ。
日本の会社と違う点カナダのオフィスで働くことについては分からないが、レストランで働いた経験だけで日本とカナダを比較してみると、カナダは従業員同士が日本よりもフレンドリーであると感じた。小林さんはその理由の一つを、だれもが最初からファースト・ネームで呼び合うことだと思っている。従業員はオーナーですらファースト・ネームで呼んでいる。 これからの意気込み
現在の職場は従業員が全員日本人なので、お互いのコミュニケーションでは問題はなく、その点では居心地は良い。しかし、英語を使う機会が少ないので少し物足りなさを感じている。せっかくカナダに来たのだから、できるだけ英語を使ってカナダ人を始め様々な国の人と話す機会が欲しいのだ。たとえお客さんの言葉が分からなくて落ち込むことがあっても、後になって考えると再度挑戦したくなってくる。そこで小林さんは、働いてお金に余裕ができたら再度語学学校に通ったり、英会話サークルに行くなどして、英語環境に積極的に身を置きたいと考えている。一度語学学校のコースを修了し、日本人同士で働く職場を経験してみて、この場所が語学学校の利点が英語力の向上だけでなく、他の国の人といろいろ話し合えて視野を広げることができる場所であることにも気がついた。
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