トラベル記事
  思いっきり遊ぼう夏のカナダ  

さわやかで、太陽がまぶしく、どこまでも真っ青な大空が広がるカナダの夏がやってきた。スーパー・ナチュラルと呼ばれ、ウォーター・スポーツからマウンテン・スポーツまで世界中のアウトドア・ファンを魅了するブリティッシュ・コロンビア州。人も自然もダイナミックで訪れる人の人生観を変えてしまうようなアルバータ州。伝統と前衛精神が息づき、カナダのハート・ビートが体中に伝わってくるようなオンタリオ州。はち切れそうな熱狂的エネルギーのあふれるケベック州。のどかな田園風景とひっそりとたたずむような漁村に郷愁を感じる大西洋諸州。夏のカナダは、心行くまで楽しめるバケーション天国だ!

ビバ、ケベック

モントリオール国際ジャズ・フェスティバル

夏のケベックで見逃すことができないのは数々のフェスティバルだ。熱い心をもつことで知られるケベック人が、地域ぐるみになってエネルギーを発散させる。このフェスティバルを体験したら、他のカナダの地域とは一味違うケベックの魅力に取りつかれること受け合いだ。
モントリオールの街中を舞台に繰り広げられるモントリオール国際ジャズ・フェスティバルwww.montrealjazzfest.com)は、世界からファンが集まるイベントで、6月30日から7月11日まで開催される。今年は25周年でもあり、ダイアナ・クロール、K.D.ラング、コリン・ジェームス、イブラヒム・フェラー、ダイアン・リーブス、オリバー・ジョーンズトリオ、オスカー・ピーターソン・トリオなどを始め、世界のプレーヤーが2000人も集まる。記念イベントも予定されており、中心となるサン・ドゥニ通り沿いは、例年をしのぐお祭り騒ぎとなるだろう。

ケベック・サマー・フェスティバル

ケベックのハートとも言えるケベック・シティが沸きかえる夏の祭典www.infofestival.com)で、今年は7月8日から18日まで開催される。ロック、ジャズ、クラシック、ニュートレンド・ミュージック、フランス系カナディアン・ミュージック、ストリート・ミュージックなど、20カ国から800人以上のミュージシャンが集まり、400以上のコンサートが開かれる。いたる所に特設ステージが作られるため、文字通り町中がコンサート会場になる。

ニュー・フランス・フェスティバル

フランス文化を継承するケベックの精神を祝う祭典で(www.nouvellefrance.qc.ca)、ケベック・シティを舞台に8月4日から8日まで開催。グルメ・フェスティバルやカルチャー・イベントが行われる。老いも若きも開拓時代の衣装を身につけて参加する。見物客も貸衣装を着て参加しなくてはならないという愉快なお祭りだ。

ロジャース・カップ

世界の女性トップ・プレーヤーが火花を散らすロジャース・カップが今年はモントリオールで7月31日から8月8日まで開催される。デイゲームもナイトゲームもまだ切符が残っているので、テニスファンなら観光のついでにぜひ観戦しよう。ロジャース・カップは1892年に開始され、ウィンブルドンとUSオープンに次いで長い歴史をもち、モントリオールかトロントで毎年開催されている。賞金総額は132万5000ドル。過去のチャンピオンには、クリス・エバート、マルチナ・ナブラチロバ、ステフィ・グラフ、モニカ・セラス、マルチナ・ヒンギスなどが名前を連ねている。www.rogerscup.com

ピープル・カントリー、オンタリオ

パートナーと一緒に最高に楽しい夜を過ごしたい人にも、パートナーを見つけたい人にもお勧めなのが、トロントのナンバー1ナイトクラブ・ホットスポット。最先端の照明とサウンドのステージを備えた<ディープ・エンド・ナイトクラブ>ほか、トロントで一番NOWなパーティー・バーとして知られる<タイズ・パーティーバー>、レンタルしてプライベートなパーティーを楽しむ<アクア・ラウンジ>など、パーティー・クレージーにうれしい施設がそろっている。
ゴーカート、ロック・クライミング、ゴルフ、ドライブイン・シアター、プール、バッティング・ゲーム、ジャイアント・スィングライド、サッカー、蚤の市など、家族そろって楽しめるアトラクションや施設もある。

スカイドームでブルージェイズ観戦

ボール・ゲームに連れてって!

北米ではだれでもという歌を知っている。Ball Gameとは野球のことで、親子がそろって野球を見るのは今も昔も北米の夏の風物詩だ。最近は日本の選手が大リーグで活躍することも珍しくなくなったが、北米と日本とでは同じスポーツでもその質が違い、野球も例外ではない。選手のプレーだけでなく観客の反応まで、本場の迫力は違うのだ。日本で見なれていた選手でも、大リーガーと一緒になってプレーする姿はきっと別人のように見えるかも知れない。カナダにはトロントとモントリオールに大リーグのチームがあり、特にスカイドームを本拠地とするトロント・ブルージェイズの人気は高い。観戦するのはできればデイ・ゲームが良い。ギラギラと輝くオンタリオの陽射しを浴びながら、Tシャツ姿でホットドッグをほおばり、地元ファンと一緒にブルージェイズを応援すれば、カナダの夏を体感すること間違いなし!

ドレスアップしてオペラを観る

ライブ・エンターテイメント

ボール・ゲームを満喫した後は、Tシャツからセミ・フォーマルに着替えてショーを観に行こう。コンサート、オペラ、ミュージカル、バレエ、モダンダンスと、ブロードウェーのヒット作や一流スターが出演するショーが待っている。リラックスして楽しみたいなら、食事をしながらライブ・ミュージックが楽しめるジャズ・ハウスやタバーンと呼ばれるパブも良いだろう。一流プレーヤーが目の前で演奏するようなレストランや、ピッチャーでビールを注文して、デキシーやカントリーを聞きながら陽気に騒ぐタバーンがいたるところにある。

ロード・オブ・ザ・ダンス2日間限定公演
Lord of the Dance (www.hummingbirdcentre.com)

ケルト民族の伝統舞踊と音楽を近代化したダイナミックな舞台で、世界中に5千万人のファンをもつと言われるアイルランドのダンスグループ「ロード・オブ・ザ・ダンス」が、トロントのハミングバード・センターにやって来る(5月29日、30日)。迫力にあふれるダンスに秘められたケルト民族の感性がステージ一杯に繰り広げられる!

小都市巡りでカルチャー体験

オンタリオは、近代カナダ建国の中心地でもあり、人々の生活に伝統を感じる。そんなオンタリオの生活文化を体験するなら、観光地ではない小都市を周るのがお勧めだ。大都市の周りには人口が数10万人の小都市が多く点在している。こうした小都市までのどかな田園風景の中を旅すれば、洗練された文化と素朴さがミックスされたカナダの素顔が見えてくる。南部オンタリオは、ワインの産地としても有名なので、のんびりとワイナリー巡りをしても良いだろう。カナダのワインは甘くフルーティーな味が特徴で、その質が国際的にも認められるようになってきた。また、凍ったぶどうから作るアイスワインもこの地方で作られている。年々人気が高まっている高級ワインだが、日本ではまだ入手するのが難しいので、この機会にたっぷり飲んでみると良いだろう。

開拓時代を今も感じるアルバータ

カナディアン・ロッキーを見ずにカナダは語れない

ロッキーとは「岩」(Rocky)の意味で、文字通り岩山だ。山のふもとが針葉樹林に覆われているものの、ふもとのすぐ上から頂上まで切り立った岩が露出している。その雄大なスケールと恐ろしいほどの迫力は、見るものから言葉を奪ってしまうほどだ。山と山の間を流れる白緑色の急流や、魔法の鏡と化したかのようにトルコ石色に美しく反射する湖も、山の景観とあいまってカナダの代表的なイメージになっている。
ロッキーの名所として知られるバンフとジャスパーへは、ブリティッシュ・コロンビア州のバンクーバーからバスや鉄道で向かうと良い。850キロもの道のりなため、途中で1泊して行くと良いだろう。バンフまでの中間地点を過ぎるころから地形が険しくなり、ブリティッシュ・コロンビアとアルバータの州境から、本格的なロッキーの景色が始まる。ロッキー山脈は動物の宝庫でもあり、熊を始めエルク、ムース、マウンテン・ゴートなどを多く見かける。
ロッキーの観光は、バンフやジャスパーを拠点にして数日かけて周るのがお勧めだ。

カルガリー・スタンピード

ロデオはアメリカだけのイベントではない

アルバータはテキサスにも似たウエスタン文化が特徴で、カウボーイ・ハットやブーツ姿を街中で良く見かける。そのウエスタン文化を象徴するロデオ大会が、アルバータでは数多く開催されている。

なかでもスタンピード・ロデオは、アルバータが誇るナンバー・ワン・ロデオだ。カナダ最大のロデオでもあり、開催期間中は町中が普段にも増してウエスタン・ムードになる。

バスと鉄道で行くカナディアン・ロッキーの旅

ロデオ大会の種目は荒馬乗りからブル・ライドやワゴンレースまですべてそろい、参加するライダーはアメリカの有名ロデオ大会を周るプロたちだ。カナダ出身のライダーも多く、彼等にひときわ高い声援が上がることは言うまでもない。今年は8月4日から8日まで開催され、カジノやカントリー・ミュージックのコンサートなど各種のイベントも行われる。

便利な乗り放題カナダ・パス

カナダ全土を走るグレーライン・バス(GRAYLINE: www.grayline.ca) は7日間から60日間の乗り放題パスを発行している。予約の必要はなく、乗車券さえあれば満員の場合も新しいバスを用意してくれるので乗りそびれることはない。バスはシートもゆったりとして乗り心地が良いので、大陸横断旅行にも向いている。一般乗車券を利用する場合、大人が同伴する16歳以下の子供は無料になり、グループ用にチャーターも可能だ。

アウトドア天国ブリティッシュ・コロンビア

バンクーバーっ子を惹きつけるアイランド・ライフ

ロータスランド(桃源郷)と呼ばれる美しい自然に恵まれたバンクーバーは、アウトドア・ライフ愛好家にとって絶好の環境だ。ヨットやカヤックがダウンタウンを眺めながら楽しめるし、本格的な登山ができる森林にも事欠かない。そんなバンクーバーに住む人たちが、より自然なアウトドア環境を求めて出かけていく場所がある。それがバンクーバーの沿岸に散在する島々だ。ブリティッシュ・コロンビアの州都があるバンクーバー・アイランドのように大きな島から、個人が所有する小さな島までが無数にあり、住民の多い島にはバンクーバーからフェリーが出ている。 そんな島の一つに、アーティストの島と呼ばれるソルトスプリングス・アイランドがある。どういうわけでアーティストが多く住むようになったかは確かではないが、作家、工芸家、写真家、陶芸家、画家などが集まっていて、週末にはファーマーズ・マーケットにカラフルな作品が登場する。なかにはスタジオやアトリエを公開しているアーティストもいて、名物になっている。

かわいらしいB&B

ソルトスプリングス・アイランドのレジャーはマウンテン・バイク、カヤック、フィッシングだ。すべてレンタルで手軽に楽しめカヤックはレッスンもある。マウンテン・バイクでトレイル周りをしたり、カヤックで回りの島々まで渡ったり、海釣りで大物に挑戦したりと、アウトドア・ファンならこたえられない環境だ。ソルトスプリングス・アイランドでは、B&B(ベッド・アンド・ブレックファスト:朝食付きの民宿)に泊まることがお勧めだ。洒落たベッド&ブレックファーストが多いことでも知られ、民宿風のものから、レジャー施設を備えた高級感のあるものまで、アイランド・ライフにピッタリ合ったB&Bが待っている。