トラベル記事
  カナディアン ショッピング  

旅の楽しみの一つはショッピング。せっかくカナダに来たのだから、カナダのお土産にはカナダらしいものを買いたい。その国だからこそ安く買えるものを見つけるのも旅の醍醐味だ。また、カナダに長期滞在するのであれば、地元の人たちに人気のある店は知っておきたいものだ。
では、カナダらしいお土産とは? カナダだからこそ安く買えるものは? そして今人気のある店は?−カナダのお勧めショッピングを地域ごとに紹介しよう。

ブリティッシュ・コロンビア州

昔からBCジェイドと呼ばれる翡翠(ひすい)、スモーク・サーモンや数の子昆布などの海産物、先住民族(インディアンとエスキモー)の工芸品やカウチン・セーターなどが有名だ。こうした昔ながらのお土産に加え、質の高いチョコレートやBCワインなどの人気も定着している。またBC州はアウトドア・スポーツのメッカだけに、ウィンター・スポーツ関連商品やキャンプ用品、マウンテン・バイクなど、州内で製造されているお勧めグッズも多い。

BCジェイドは光沢のある深い緑色の石のこと。大理石の4倍も硬く、カットや研磨が難しいとされているが、置物としてBC州に生息する鯨、アザラシ、熊などの野生動物の形に彫刻されたり、アクセサリーとして加工され、ひじょうに手ごろな値段で買える。バンクーバーではガスタウンやロブソン・ストリートにある一般のおみやげ店や免税店、ギャラリー、ショッピング・モール内の宝石店、ベイなどのデパートのアクセサリーのセクションで買える。専門店のAT Stores Ltd.には、芸術性が高く個性的なアクセサリーが豊富に揃っている。

コレクターやディーラーを対象としたジェイド・ワールド Jade Worldのショールームでは、ジェイドの原石の美しさが生かされた彫刻作品が展示されている。
先住民族の工芸品には木彫りのミニ・トーテンポールやお面、調度品、モカシン、アクセサリー類、リトグラフ、石の彫刻、版画などがあり、専門店のほかお土産店でも買える。一昔前にブームになったカウチン・セーターの人気は復活してきており、部屋履きとして実用的で長く使えるモカシンの人気も根強い。

スモーク・サーモンはレストランのメニューにも頻繁に現れ、家庭の食卓に上がることも多いBC州を代表するシーフードの一つになっている。添加物を一切使っていないキングサーモンのスモークは最高だ。養殖サーモンとの違いをぜひ味わってほしい。免税店でも購入できるが、バンクーバーのThe Salmon Shop、Seafood Cityなどのように、ギフト用に新鮮なサーモンやロブスターを梱包してくれる店がある。

センスのいいお土産探しにはバンクーバーのグランビル・アイランドを訪れてみたい。地元のアーティストたちがアトリエを公開しながら作品を販売している店や、カナダを代表する女流画家エミリー・カーのカレッジ Emily Carr Institute of Arts & Designのキャンパス、グランビル・アイランド・ビール工場 Granville Island Brewery(工場内にビール店あり)、パブリック・マーケットなどが小さな島にところ狭しと集まっている。

北米第2位の大きさを誇る、バンクーバーのチャイナタウンでは、健康に良い "お茶"が人気だ。ウーロン茶やジャスミン茶など日本でも知られているお茶から、痩身美に効くとされるお茶など、種類が豊富で値段も安い。また、お茶と言えば、州都ビクトリアのエンプレス・ホテルのアフタヌーン・ティーが有名だが、バンクーバーの老舗Murchies Tea & Coffeeでは、エンプレス・ホテルのお試しパックを売っている。

アルバータ州

カナダのテキサスと呼ばれるアルバータの中心地カルガリーでは、カウボーイ・ブーツやアクセサリーなど、ウエスタン・ファンにはこたえられないファッション・グッズが安く買える。先住民族の工芸品も多い。

カナダの食べ物では何といってもアルバータ・ビーフ。お土産にはスモークしてジャーキーに仕上げたものが最適だ。特にLongview、Ben's、Bergenのものが柔らかくて食べやすいと評価されている。ビーフ・ジャーキーにはさまざまな味があるので、購入する前に試食をしてみることをお勧めする。ビーフ・ジャーキーはバンフやレイクルイーズの一般の食料品店や免税店でも販売されている。

さて、カナディアン・ロッキーのおいしい空気のなかで汗をかいてみたくなったら、スポーツ・グッズのレンタル・ストアへ行ってみよう。もちろん、レンタルで気に入ったら、自分のお土産として買っていこう。スキー、スノーボード、マウンテン・バイクなら、バンフにあるBACTRAX -Snowtips、MONOD Sports、Ski Stopがお勧めだ。MONODはかつてのナショナル・スキーチームで、カナダのチャンピオンでもあったモナド兄弟の店だ。1949年にオープンしたこの店では、登山関係のグッズも豊富で、アウトドア・ウェアも多くそろえている。
なお、アルバータ州では買い物の際に州税がかからない分だけ、お得なショッピングができる。

オンタリオ州

カナダ経済の中心だけあってカナダ各地の名産やお土産がそろっているが、食品では昔からメープル・シロップが有名だ。おしゃれなミニ・ボトルに入ったお土産用だけでなく、家庭で使う一般的な容器に入ったものも良いだろう。メープル・シロップはホット・ケーキにかけるだけでなく、砂糖替わりに紅茶に入れたりトーストに付けてもおいしい。メープル・シロップで甘さを付けたクッキーや菓子類も良い。
ナイアガラ地方で作られるアイス・ワインもお勧めだ。ドイツで初めて作られたアイス・ワインは、熟しきったぶどうが冬に入って凍るまで待ち、一つひとつ手で摘んで作った糖度の高いデザート・ワインで、製造できる本数に限りがあり手間がかかるため価格は高い。このため日本ではあまり知られていないが、オンタリオ製のアイス・ワインは高く評価されており、試してみる価値はある。

ナイアガラ・オン・ザ・レイクには有名なワイナリーが12あり、試飲をかねたワインツアーが充実している。アイス・ワインではPilleteri Estates Wineryが特に有名で、アメリカン・ワイン・ソサエティーから金メダルを二つ獲得している。

ケベック州

昔から毛皮の産地として知られているだけに、良質の毛皮や革製品が豊富で安く、工場直売店も多い。カナダの服飾産業の中心でもあり、ウール製のウェアも有名だ。 また、代々の技術を受け継いだ熟練職人が作る工芸品、アクセサリー、ファッション・グッズ、バッグ類などもあり、他の州では経験できない買い物の楽しさが味わえる。カナダの楽器産業の流通拠点でもあり、ギターを始めアメリカ製の有名楽器が安く手に入る。食品ではオンタリオをしのぐメイプル・シロップの産地で、採り立てのシロップを食べさせてくれる農家やそこへ出向く専門のツアーもある。お土産用ではないが、チーズやハム類を始め質の高い食品が多く、ギフトとしてもお勧めだ。

毛皮専門店ではrue Mayor、Alexandor、Birger、Chrisensen, Holt Renfrew、Grosvenor、McComberなどが有名だ。

 
 

Jewelry Store of the Year:
カフマン・ドゥ・スゥイス(Kaufmann de Suisse)
www.kaufmanndesuisse.com

来年50周年を迎える宝石店で、スイスの宝石技師であるパイアス・カフマンがケベック州モントリオールに1号店をオープン、その後アメリカ・フロリダ州パームビーチとニューヨークにも開店した。同店の商品は全てハンド・メイドで、ダイヤモンド・インターナショナル賞を6回受賞している。
そのユニークなデザインで知られる代表作「フローイングライン・コレクション」は、18金またはプラチナ・ゴールドを使い、大胆でありながら女性らしさを保ち、ファッショナブルで時を越えた美しさを誇っている。

 
 

Gift Shop Gallery of the Year:
アバウト・カナダ(About Canada) 
www.aboutcanada.ca

本物のカナディアン・ギフトならAbout Canada。バンフのヘリテージ・ビルの一つにあり、ギフトやクラフトなどを幅広く取りそろえている。商品の質は高く店のムードはフレンドリー。手彫りの熊(木彫・石彫刻)、エスキモー彫刻、ハンドペイントの陶器やガラス製品、伝統的な先住民族文化をコンテンポラリーに仕上げたオリジナル宝石など、カナダの画家、彫刻家、アーティストの作品が買える。ロッキーのイメージをモノクロ写真でパワフルに表現するブルーノ・エングラー(映写技師でマウンテン・ガイド)や、ロッキーの写真集で4つの賞を受賞した作家・写真家ダグラス・レイトンなどによる、バンフをテーマにした作品もそろえている。経験豊かなスタッフが各国語で対応してくれる。

Shopping Centre of the Year:
パシフィックセンター・モール(Pafific Centre Mall)
www.pacificcentre.ca

バンクーバーのショッピング・モールを代表するのがパシフィック・センター・モールだ。ビジネス街の中心地でもあり、主要ホテルから徒歩で行ける。ホルト・レンフリュー、ハリー・ローゼン、スポーツチェック、ゲス、クラブモナコ、メックス、ブルー・ルビーなど140の有名店がそろっている。フォーシーズン・ホテルから直接アクセスもでき、バンクーバー美術館にも面している。バンクーバーのファッションが一目でわかるトレンド・セッターだ。

Wine Shop of the Year:
イニスキリン・ワイン(Inniskillin Wines)
www.inniskillin.com

世界的に有名なアイスワインのメーカー。トロントから1時間半離れた歴史溢れるナイアガラ・オン・ザ・レイクにあり、一年中いつでもワイナリー・ツアーを受け入れている。1920年代に建てられた由緒ある建物のなかにワイン・ブティック、試飲バー、ワイン・ギフトショップなどがある。ワイン・ツアーにはガイド付きとガイドがいないセルフ・ツアーがあり、ガイド付きツアーの所要時間は45分。セルフ・ツアーではワイナリー内に設けられた20ヵ所のステーションをマイペースでのんびり周れる。

Cultural Shopping Attraction of the Year:
トロント・シンフォニー・オーケストラ(Toronto Symphony Orchestra<Gift Certificates>)
www.tso.ca/season/ticket/ticket04.cfm

トロント・シンフォニー・オーケストラの入場券がギフト券になった。クレジット・カードを使えばオンラインでも買えるので、カナダに旅行する人、留学する人、長期滞在する人にプレゼントしてはどうだろう。トロント・シンフォニー・オーケストラは、カナダを代表するオーケストラで1922年に設立された。演奏会場であるロイ・トンプソン・ホールには毎年40万人が入場し、ヨーロッパを始め世界各国でもコンサートを行っている。