住宅・建築記事
  カナダ・ハウジングNOW

増えている設計事務所からの受注
インターネットで直接オーダーする消費者も

住宅の品質確保と消費者保護を目的に、平成11年度に公布された「住宅性能表示制度」のおかげで住宅に対する意識が向上し、質の高い建材や資材を求めてカナダの業者に直接問い合わせや注文を寄せる消費者や設計事務所が増えている。こうした傾向に基づき、カナダ建材と住宅を日本に輸出するケン・ビルディング・マテリアルズ(ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー)は、日本でのマーケティング戦略を消費者と設計事務所に焦点を当て、成功を収めている。
ケン・ビルディング・マテリアルズ社のダン・シュニック副社長は、「日本の消費者は、家を選ぶのに用心深くなり、建材、資材、設計に対する知識に目覚めたことで、建築のスタイルに関して工務店をリードするようになっている。同時に、住宅革命の提唱者である設計事務所も消費者と一体となり、質を落とさずにより安価な資材を外国に求めることに積極的になっている。このため、工務店を通さずにインターネットを通じて直接連絡を入れてくる消費者や設計事務所が増えている。現在日本とのビジネスの半数以上がこうしたケースだ」と語った。
なお、今後需要が伸びる分野としては、別荘用住宅や、住む人のライフスタイルを反映するスペシャルティー住宅を挙げた。

同社は、東京大田区中馬込に建てられたスペシャルティー・マンション、<ペットも住める賃貸しデザイナーズ・マンション:エシュリオン光和>(株式会社松屋:東京大田区)に各種の建材を供給し、去る9月にカナダ大使館で発表会を行った。
また、今月開催されるジャパン・ホームショー(東京ビッグサイト。11月16〜19日)では、日本で始めてのパネル式ログホームを発表する予定となっている。

年間8万個のキャビネットを製造するメリットキッチンズ(ブリティッシュ・コロンビア州サレー)は、今年7月より、木製の引き出しを追加料金なしの標準仕様にし、超過受注になるほどの人気を呼んでいる。木製の引き出しは、美観が優れているだけでなく、構造的にも強く、引き出しがスムーズでキャビネットから完全に引き出すことができる。
一方、金属レールが左右についた従来の引き出しは、レールがキャビネットに連結しているため完全に引き出すことができない。いままでは、金属レールの引き出しを木製にアップグレードする場合、一台につき125ドルの追加料金がかかったが、木製を超過料金のない標準仕様にして以来、アメリカからの受注が殺到している。

ツーバイフォー住宅やログホームを始め建材・資材を日本に輸出するケンウエスト・エンタープライズ(ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー)が、ジャパン・ホームショーに、スーパーE会員として始めて参加出展する。
(スーパーE:カナダ政府が開発した高性能住宅システムで、日本とカナダの業者を会員化してカナダの住宅技術の普及を図っている)
ケンウエストでは、最近、新しくシンプルなデザインの住宅に対する需要が高いだけでなく、重厚で伝統的なデザインの住宅の需要も高いことを受けて、390の色彩をそろえたアクリル系外壁仕上げ材<ストー>や、樹齢を重ねた木で作った床材、アンティーク調の家具など、双方の住宅にマッチするユニークな資材もそろえている。

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