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中学から高校への進学は、地元の学生にとっても大きなステップで、新しい環境に慣れるまでに一学年かかる例は多くある。当然ながら、留学生にとり、高校留学は一段とチャレンジ度が大きい。このため、本人の準備はもちろん、両親の理解と準備もひじょうに大切だ。同時に、留学相談や入学の代行を行うエージェントの重要性も指摘されている。

それでは、どのような情報を集め準備を行えばよいのだろうか?

高校留学生を受け入れている各地域の教育委員会に聞いた。

ブリティッシュ・コロンビア州 リッチモンド教育区
1998年から8つの高校で留学生受入れを開始。現在の留学生総数265人、日本人留学生数16人。昔から日本との絆が強い地区で、日系人の人口も多い。
www.sd38.bc.ca

入学準備に関してどのような質問をよく受けますか?
南米からの留学生からは熱心な質問をよく受けますが、不思議なことに日本人の生徒や両親から準備に関する質問を受けることはあまりありません。この点、もっと積極的に質問して、不安を解消しておくと良いと思います。

留学を成功させるポイントは?
受け入れ側、両親やエージェントなど生徒を送り出す側、そして留学生自身の三者のパートナーシップです。つまり、学校が留学生のための十分なサポートを行い、両親やエージジェントが留学に関わる問題を良く理解して、学校と一体となり留学中のサポートを行い、生徒自身が自分の責任を認識して目的意識をもつことで、留学が成功します。

受入れ校が外国文化に対して深い理解をもつことや、地域の環境が留学生にとってなじみやすいことも助けになります。当学校区で留学生を受け入れている学校はすべて日本に姉妹校をもち、日本語クラスもカリキュラムに組み込んでいます。日本語クラスは日本人生徒も受講できるだけでなく、教師のアシスタントとしてクラスに出ることもあります。こうした環境は、日本人留学生に親近感をもたせる結果になっています。

生徒自身が自分で問題を解決するだけの精神力をもっていることも大切です。生徒が精神的・社会的に成熟していることを確かめることは、両親やエージェントなど生徒を送り出す側にお願いしたい点です。

生徒自身が出発前に準備をすることは?
心の準備をしておくことが、結果として大きく役立ちます。言葉が一番のチャレンジであるにせよ、勇気をもって意識的に話しかけてカナダ人の友達を作ること、学校のシステムや自分が慣れていない環境を前向きな姿勢で受け入れること、留学に送り出してくれた両親への責任を自覚することなどが大切です。

留学中に日本人生徒が直面しやすい問題は?
授業でもクラブ活動でも受身になりやすいことです。日本では授業の進め方がひじょうにフォーマルですが、カナダでは、生徒が自由に発言し、自主的に参加しながら授業を進めるシステムです。このため、先生の話しを聞いているだけで自主性がない生徒は、試験でも良い点がとれません。また、生徒の精神面をサポートするために、授業外でも、先生と生徒の間でカジュアルな会話が交わされています。日本人は一般的に学業には優秀で、英語に対する知識も低くありませんが、こうしたカナダの教育システムを理解し、面子にこだわらず積極的に質問したり、先生や留学カウンセラーのアシストを活用して、精神的なバリアを乗り越えると、留学の効果がより上がり、英語力も一段と上がります。
当学校区の留学生の90%は卒業しています。また、日本人生徒で今までドロップ・アウトした生徒はいません。

ブリティッシュ・コロンビア州 バーナビー教育区
2001年から8つの高校留学生受入れを開始。現在の留学生総数300人、日本人は数人しかいない。留学の受入れは歴史が浅いが、移住者用にESLプログラムを長年行い、日本との学校交流も行っている。
www.sd41.bc.ca

留学準備のポイントは?
生徒と両親が一緒になって、留学する国、学校がある地域、その地域にある日系団体などにつきできるだけ多く調べておくことをお薦めします。観光情報を提供するホームページもリサーチする際に役立ちます。特に、どのような文化背景をもっている環境であるかを調べてください。
つねにオープン・マインドでいることもひじょうに大切です。これは、現実が自分のイメージしていたもとは違うことがよくあるからです。この時に、自分の価値観だけで判断せず、違う習慣や考え方を受け入れる心の準備があるかどうかで、ストレスの度合いが大きく変わります。新しい環境に慣れてしまえば、大半の人は快適に感じるようになります。

留学中のアドバイスは?
個人差はありますが、だれでもカルチャーショックを経験し、ホームシックにかかります。困った時は、ためらうことなく相談してください。カナダの学校では、相談されずにいるより相談されることを好みます。生徒自身が学校のスタッフを始め相談できる人たちや団体の存在を知っていることが大切です。例えば、地元にある日系コミュニティーなどが役に立つ場合もあります。当学校区では、カナダ人生徒と留学生が交流するプログラムや、留学生同士が交流するプログラムを設けています。こうしたプログラムに積極的に参加することが、活動の輪を広げて生活を楽しくします。

学業面でのアドバイスは?
英語が期待した通り上達しなくても心配はいりません。だれでも段階を追って上達します。この点、両親の期待感が高すぎることがままあります。両親の期待感が生徒のプレッシャーになることもあります。一般に、生徒は順応性があり、新しい環境に慣れていきますが、この点でも両親の方が苦労するようです。両親も、問題があると感じた場合はためらわずに学校に相談してください。

ブリティッシュ・コロンビア州 サレー教育区
1994年から18の高校が留学生受け入れを開始。留学生数は比較的少なく、日本人生徒数は6名。卒業した留学生のほとんどは、カナダの大学に進学している。
www.sd36.bc.ca

留学中に直面しやすい問題は?
英語力が不十分だったためや、文化の差からくる「誤解」です。この問題に対応するために、当教育区では留学全般の相談を行うカウンセリング・スタッフと、文化の差について相談するマルチカルチャー・スタッフを備えています。
しかし、スタッフが十分いるにもかかわらず、日本人留学生のなかには、だれに相談したらよいか分からずに悩む人も多いようです、この点は、アジアの留学生に共通した問題です。

留学にできるだけ早く慣れる方法は?
入学する前に、夏季・冬季プログラムなどを受講し、環境になれておくと良いでしょう。入学時に両親が一緒に来たり、留学中に両親が生徒を訪問することも役立ちます。

オンタリオ州 オタワ教育区
1997年から27の高校が留学生受入れを開始。現在の留学生総数247人、日本人生徒数12人。留学先として人気があるバンクーバーやトロントに比べ、日本を含みアジア人の留学生が少ない。

留学を成功させる準備のポイントは?
まずは、留学の目的をしっかり定めてください。 英語をマスターするために、日本の高校を1年休学して留学する場合もありますし、卒業を目的に留学する場合もあります。それぞれの目的にしたがって準備を整えてください。
留学を行うのは自分ですから、自分で行動することに慣れることが大切です。外国旅行の経験がない場合や、両親から離れたことがない場合は、留学前にできるだけ家族から離れる経験を積むと良いでしょう。経験を積むことで自信がつきます。

自分で物事を決める習慣をつけることも大切です。
先生や両親の指示に従って物事を決めることに慣れている生徒がいますが、カナダの高校では、自分が決断しなければならないことが日常的にあります。例えば、カナダの高校には日本の高校にないようは選択科目がひじょうに多くあり、選択科目が大学進学時にも影響します。
この点、留学生のみならず地元の学生に対しても学校のカウンセラーがつねに相談を行っていますが、最終的には生徒自信が判断することが基本です。

留学で直面する問題をあらかじめ知っておくことも役に立ちます。
例えば、外国で生活した場合、食べ物、交通、習慣、環境、人間関係など、慣れるまではすべてがストレスの原因になります。また、ホームシックにかかる人も多くいます。しかし、こうした問題はだれでもが経験するものです。大切なのは、こうした問題に直面した時にどのように対応するかなのです。

問題解決法は?
問題から逃げることは解決にはなりません。例えば、英語のストレスが多かった場合でも、日本人同士だけで行動するようになるとますます悪化します。他人とのコンタクトを避けてインターネットに没頭するのも勧められません。カウンセラーなど、学校のサポート・システムと連絡をとり、自分から問題を解決するための第一歩を踏み出してください。最初はだれでも語学力が足りないのですが、やる気があれば必ず乗り越えられます。

両親に求められるものは?
過保護にならない程度にサポートしてあげてください。小さなことでも毎日親に相談する生徒もいますが、すべてにアドバイスすることは生徒自身のためにはなりません。留学生を受け入れている学校のスタッフは、こうした問題を抱えた生徒との対応に慣れており、効果的にアシストするノーハウを備えていますので、学校を信頼して任せることが大切です。エージェントを介して留学させる場合は、留学中のサービス内容をよく調べておいてください。最も大切なことは、エージェントがコミュニケーションをどれだけ助けてくれ、学校や、教育体制、文化一般に対する知識をどれだけもっているかです。
日本の学校で良い成績を収めていた生徒であれば、カナダでも良い成績を取れる例が多いです。その半面、日本で問題があった場合、留学させることで問題解決を期待することはお薦めできません。

学校紹介

ボッドウェル・ハイスクール
Bodwell High School
www.bodwell.edu/highschool
ブリティッシュ・コロンビア州ノースバンクーバーにある私立高校。一般の高校カリキュラムと大学編入プログラムを行っている。卒業生の大学編入率は100%を誇る。

マラスピーナ・インターナショナル・ハイスクール
Malaspina International High School
www.mala.ca/highschool
ブリティッシュ・コロンビア州ナナイモ市の私立高校。マラスピーナ・ユニバーシティカレッジのキャンパス内にあり、質の高い大学編入プログラムと、2週間から8週間の夏期講習を行っている。

セルカーク・セカンダリー・スクール
Selkirk Secondary School
www.sd6.bc.ca/selkirk
ブリティッシュ・コロンビア州コロンビア・バレーの、ロッキー山脈とパーセル山脈に囲まれたキンバリーにある中・高等学校。夏季の短期プログラムと正規留学プログラムがあり、ヨーロッパ、南米、アジアからの留学生を受け入れている。

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