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新しい自分との対話が自分を成長させてくれた。

重松雅治 立命館アジア太平洋大学アジア太平洋学部アジア太平洋学科3年生。趣味はバレーボール。将来の希望は、現在参加活動中の「世界の歴史教科書博覧会実行委員会」を世界規模の団体にすること。

私がカナダに来てから早くも7ヵ月が過ぎ去り、今はもう帰国の日をすぐ目の前にしている。最初にカナダに降り立った日のことは今でも鮮明に覚えているし、これまで私が過ごしてきた1日1日が手に取るように思い出される。多くに触れ、多くを考え、多くを吸収できた留学であった。「納得のいく留学」とは、人によってそれぞれ違うだろうが、私にとってこの留学は、後悔がないと言えば嘘になるが、それでも十分納得のいくものであったと言える。

勉強がおもしろい

まず、勉強に対する自分の姿勢が成長した。
大学に入り、今年でもう3年目を迎えるわけだが、これまでなかなか真剣に勉強に取り組むことは少なかったし、自分は何に興味があって何を勉強したいのか、ということを見つけられずにいた。カナダに来て、私はカナダの移民問題や文化についていろいろな視点から勉強した。カナダは思っていた以上に移民の国であり、友達も台湾系カナディアンが多かったので、勉強していることと、実生活のリンクがあり、とても刺激的だった。とてもおもしろかったし、課題でインタビューを何人かの学生にするなど自分でも驚くほど積極的に授業へ参加していたと思う。

ツールとしての英語

第2学期ではUBCの正規科目である、経済学と人類学を取った。どちらも入門コースではあるが、私にとっては初めて学ぶ分野で、授業についていくのは大変だが、とても興味深い。教授の話を普通に聞けている自分を発見し、教科書を読んで素直に感心できる瞬間など、英語で勉強していることを実感する時がたまらなくうれしい。留学では当たり前のことなのかもしれないが、私にはなかなか感じることのできない瞬間だった。中学から一つの科目として勉強してきた英語が、今、私の中で私の「ツール」として動き出した。それを今、確かにかみしめている。まだまだ未熟だが、この一歩は大きかった。

カナディアンとの生活

生活面では、カナディアンと一緒に寮で過ごしたことがとても有意義だった。私は思ったほど社交的にはなれなかったが、それでも数人の友達と将来の話や自分のことについて、また恋愛のことなどについて話す機会をもてた。留学前に、「カナディアンと深く込み入った話をすることはムリ」、と言われてきたが、そんなことはなかった。もちろん、普段の生活態度や、飲み会をする時の雰囲気、その他いろいろと違うところも多かったが、それでも心は通じ合えると思う。また、金曜日の夜には勉強のことを忘れて楽しむことや、休日と平日の生活のメリハリなど、多くのカナダ文化を体験できた。ホームステイとはまた違う、リアルな体験がとてもおもしろかった。しかし、それでも、日本人と外国人の間に壁があることも感じた。違う文化を理解することと適応することは違う。適応することはまだまだ難しい。

Rits14:共に過ごした日々

次に、一緒に留学してきた100人の仲間たち。カナダにまで来て日本人とうまくやっていく必要などないと思っていたけれど、正直、彼らなしに私のカナダ留学は語れない。幾度も深夜まで語り合った仲間たち。時には他愛もないことを、時には将来のことや自分自身のことを、そして時には世界のことを、真剣に語り合えた。夢を語り合う瞬間が一番楽しかったし、同時にとても真剣だった。夢と現実の狭間に落ちそうになる。将来と夢のギャップに目をそむけたくなる。むしろ、何が夢なのかまだ、見えてこない。見えない出口を探して歩き回ることへの不安。20歳にもなって、まだやることがはっきりできないことへの焦燥感と同時に自分に正直でありたいと思う気持ち。まだまだ、これからも悩み続ける。

新しい自分に出会えた

この留学は、私自身の成長にも大きくつながった。自分の弱さ、自分の未熟さ、自分のもろさについて痛感した。異国の地に自分を置いて、初めて知った自分。新しい自分との対話は、苦しいものであり、しかし自分を成長させるものだった。もっと自分と話をしたい、そう思った。日本の忙しい時の流れの中では作れなかった時間が、カナダで作れたこと。新しい自分を見つけられたこと。とても大きな収穫だったと思う。まだまだ自分のことを理解しきれていない。でも、以前よりは自分を分かってあげられるようになったと思う。自分の進みたい道は、まだまだ暗闇で不安と焦りに押しつぶされそうだが、少しだけ希望が差し込んだ。

日本に帰る

今日のために生きるのか、それとも明日のために生きるのか。はたまた昨日を後悔していきるのか。それぞれがそれぞれの意味をもつけれど、私は今日は今日、昨日があっての今日、明日があっての今日だと思うから、昨日を反省しつつ、明日を楽しみにしながらも今日を精一杯生きていきたい。これまで歩んだカナダの日々を、またもうすぐ始まる日本での再出発を、そして今、残されたカナダでの日々を、私は自分の足で歩いていく。

最後に、カナダへの留学を支えてくれた両親、カナダでの生活を支えてくれた友達、そしてコーディネーターの瀬戸さんとSheriには本当に感謝している。ありがとうの意味を改めて知った。本当にありがとう。