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インターネット文化が急浸透
カナダ人はテレビよりもインターネット
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今年3月から4月にかけて2000人を対象に行った調査の結果、インターネットにアクセスするカナダ人は1790万人で、カナダ人成人がインターネットに費やす時間は週あたり12.7時間であることがわかった。これは、3年前の8.7時間に比べて46%も伸びており、インターネット文化がカナダのライフスタイルに急激に浸透してきていることを示している。同時期における他の媒体の利用度を見ると、ラジオを聴く時間が16時間から11時間に減少、テレビを見る時間は13.2時間から14.3時間に増え、新聞と雑誌を読む時間はほとんど変わっていない。
インターネットの使用度が際立って多いのは18歳から34歳までで、週当たり14.7時間をインターネットに費やし、ラジオを聴く時間は11.7時間、テレビを見る時間は11.6時間、新聞を読む時間は2.5時間となっている。
調査を行ったイプソス・リード社では、インターネットの使用度が最も高い若者層について、「コンピューターと一緒に成長してきたため違和感なくインターネットが使え、チャットを含めたインターネットが生活の一部になっている」とし、高年齢層については、「若者ばかりでなく、自分たちもインターネット文化に適応する必要を感じている。これまでは自分が好む媒体をそれぞれが選んできた高年齢層も、インターネットを無視できなくなってきている」との見解を示している。
また同社は、広告媒体としてのインターネットとテレビや新聞など旧メディアとの関係について、「インターネットの使用度がテレビを超えてきたことは、広告業界に大きな影響を与えているが、特に若者層に対して、新聞、テレビ、ラジオ、雑誌などの従来の媒体が、それぞれのホームページをどのように活用するか、開発の余地も多く残されている」と語った。
企業のインターネット使用度も急増
市民のインターネットへの依存度が高まるのと並行し、インターネットを使用する企業数も増加している。2004年度の時点で、カナダ企業の82%がインターネットを導入、77%がEメールを利用している。また、Eコマース(電子商取引)の使用度と売上高も伸びている。
カナダ統計局が、カナダ全国1万7千の企業、政府機関、公社などを調査した結果、Eコマースは過去5年連続で伸びており、特に2002年を境に使用頻度が急増していることがわかった。
昨年度のカナダのEコマース売上総額は、前年比40.9%増の283億ドルで、その内訳は私企業が264億ドル、政府機関と公社が18.8億ドルとなっている。
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2003
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2004
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2003
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2004 |
林産業とその関連産業
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71.5
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77.7
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13.9
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16.2 |
鉱業、天然ガス
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89.7
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87.3
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24.8
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32.3 |
公益事業
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95.1
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99.8
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63.7
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71.9 |
建設
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73.8
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76.7
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29.0
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24.5 |
製造
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90.4
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90.7
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56.9
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57.9 |
貿易(卸)
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88.9
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91.9
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44.6
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51.3 |
貿易(小売)
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75.2
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81.8
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36.6
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38.2 |
輸送・倉庫
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64.6
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70.3
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16.8
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18.7 |
情報・文化
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93.7
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94.3
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62.3
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71.3 |
金融・保険
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80.5
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90.3
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53.4
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60.3 |
不動産
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66.9
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73.1
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26.0
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27.5 |
科学・技術
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94.5
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93.6
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35.4
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39.3 |
管理会社
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67.7
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62.5
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20.2
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22.8 |
廃物管理
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79.8
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83.0
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34.6
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40.0 |
教育(私企業)
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92.9
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94.4
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71.6
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77.7 |
ヘルスケア(私企業)
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77.7
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83.2
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21.8
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26.0
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芸術・エンターテイメント・レジャー
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86.8
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88.9
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51.6
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53.0
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宿泊・フード
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59.8
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63.6
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26.2
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29.0
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私企業全体
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78.3
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81.6
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34.1
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36.8
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政府・公共団体
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100.0
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99.9
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92.7
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92.4
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アメリカがサマータイム変更
カナダはどうする?
ブッシュ大統領は、アメリカ国内のエネルギー削減を目的に、2007年より、サマータイム(夏時間=Daylight
Saving Time)の開始時期を現在より3週間早くし、終了時期を1週間延長することを決定した。この決議は、アメリカと国境を接するカナダにはなんら協議することなく進められたため、カナダ国内では、アメリカに合わせてサマータイムを変更するかどうかの論議が起こっている。
現在、カナダとアメリカでは、4月の第1日曜日から10月の最終日曜日までの期間サマータイムを実施している。サマータイムは、日照時間の長い期間中時計を一時間早め、電気の使用量を削減して省エネルギーを図るというものだが、カナダがアメリカと同じ時間を使用しなかった場合、株式市場、交通、放送、製造などの産業に大きな影響を与えることが予測される。
アメリカのサマータイム変更にカナダも合わせるかどうかについて、カナダ人の反応は、47%が賛成、50%が反対となっているが、反対の第一の理由には、独断的なブッシュ政権に対する反感が挙げられている。
なお、カナダでは、サマータイムの決定は州政府の管轄であり、アメリカ経済への依存度や、州民の感情などを理由に各州の意見が異なる場合もあるため、足並みがそろわず問題が複雑化する恐れもある。
ブッシュ政権のサマータイム変更に対する各州の反応
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賛成
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反対
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わからない
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ブリティッシュ・コロンビア州
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44%
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55%
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1%
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アルバータ州
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41%
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56%
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3%
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サスカチュワン&マニトバ州
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38%
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59%
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3%
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オンタリオ州
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48%
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48%
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4%
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ケベック州
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53%
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41%
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5%
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大西洋州
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40%
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60%
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0%
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肥満化が進むカナダ人
カナダは人口における肥満者率が世界第5位にランクされている。カナダ人の肥満度は、肥満国ナンバーワンのアメリカと比べれば著しく低いものの、肥満化は毎年進んでおり、問題が深刻化してきている。
統計によると、カナダでは過去25年間に、65歳から74歳までを除くあらゆる年齢層での肥満化が進んだ。最も顕著なのは35歳以下と75歳以上の人口で、25歳から34歳までの肥満は2.3倍に、75歳以上の肥満は2.18倍にもなった。
肥満は、糖尿病、高血圧、高脂血症、代謝・循環器疾患、一部の癌などの要因の一つと考えられ、欧米諸国では肥満が大きな社会問題となっている。
肥満の治療は、食事療法、運動療法、生活習慣の改善、メンタルケア等で治癒できると考えられているが、カナダでは、果物や野菜を1日に5回以上食べた子供が肥満になる確率はひじょうに低いことが証明されている。
一方、6歳から17歳まのカナダ人の肥満率は、テレビ、ゲーム、コンピューターに費やす時間に比例していることがわかった。
1978年に2歳から17歳までのカナダ人で肥満と判断されたのは3%、18歳以上では14%だったが、2004年には、2歳から17歳までの8%が肥満となり、18歳以上では23%までが肥満と診断された。
ちなみに、日本人の肥満度は世界で15位にランクされ、肥満人口(15歳以上)は推計で2300万人(1998年国民栄養調査)で、男性の場合、30歳代と40歳代の3人に1人が肥満、または過体重と判断されている。
注:肥満の判定はBMI(ボディ・マス・インデックス)の数値で行う。 BMI が18.5未満はやせ、18.5以上25未満は正常、22は標準、25以上は肥満とみなす
BMIの算出方法:体重÷身長÷身長
食生活・運動量と肥満の関係
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フルーツと野菜を食べる回数
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運動量
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1日3回以下
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1日5回以上
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運動量が少ない人
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運動量が多い人
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人気ナンバー1はジム・キャリー
ハリウッドで活躍するカナダ人コメディアンは多い。マイク・マイヤース、マーティン・ショート、ジム・キャリー、マイケル・J・フォックス、ダン・アクロイド、故ジョン・キャンディー、故ジョン・バルーシュなどが代表的だが、調査の結果、カナダ人に最も人気があるのはジム・キャリーであることがわかった。
ジム・キャリーは、幼いころから演劇が好きで、観客がいればどこでも即興のコメディーを演じる子どもだった。中学校では、放課後、クラス全員の前でコメディーを演じることを許されるようになった。家が貧乏で、一家全員がフォルクスワーゲンのバンで寝起きしていたこともあるという。スターの物まねでプロになるため、高校を中退して単身ロサンゼルスに移り、コメディー専門の小劇場に出演契約を取りつけプロ生活を開始。1984年に映画「Duck
Factory」の端役をもらったことで自信をつけ、以後は映画で身を立てることを決心した。その後いくつかの映画に出演して映画界で徐々に知られるようになり、1994年に「エース・ベンチュラ」と「マスク」の主演を獲得、一躍大スターとなった。
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