関西出身・19歳 これからの時代は第三言語が必要 将来、外交官になることが夢の1つである橋本さんは、高校2年の時に1年間ベルギーに単身留学、フランス語を勉強した。英語教育が浸透している昨今、「第三言語の習得が将来のためになる」と思ったからである。スペイン語を学ぶことも思案したが「外交官を目指すならフランス語ができた方が有利」と、フランス語を選択。ベルギーを選んだのは、フランス語留学経験者の先輩から、「ベルギーは他のヨーロッパ諸国より気さくな国民性で、外国人も馴染みやすい」というアドバイスをうけたからだ。また、南北でかなりアクセントが変わるフランスに比べ、ベルギーのフランス語は標準的で癖がないということも、理由の一つだった。 朝7時始業!ベルギーは教育熱心 「初めてのフランス語」という本だけを頼りに、橋本さんはベルギーに降り立った。 やはり英語習得は必須とカナダへベルギーに留学してフランス語は習得したが、今度は、「世界を股にかけて活躍するのなら英語をマスターしなければ」という思いがつのってきた。ベルギー留学が楽しかったことも、次の留学へと駆り立てた。こうして、ベルギー留学終了後、橋本さんは2週間だけ日本に帰国して、すぐにカナダへ旅立った。カナダを選んだ理由の一つは、英仏両語が公用語であるからだ。今回の留学では、“お目付け役”として1つ年上の兄も同行し、カレッジに入学することになった。 橋本さんは現在、カナダ・ブリティッシュ・コロンビア州オルダーグローブにある、Aldergrove Community Secondary Schoolに通っている。オルダーグローブはバンクーバーの郊外にある町で、雄大な自然に恵まれた治安の良い地域である。Aldergrove Community Secondary Schoolはフレンチ・イマージョン(一部の学科をフランス語で行なうバイリンガル教育)を実施する学校だ。 ベルギー留学の経験があったため、カナダでは苦労することなく留学生活をスタートすることができた。また、フランス語に比べ、英語はすんなりと覚えられた。カナダにはアジア人が多く、日本の食材や情報も何でも手に入る。困ったら日本人留学生も大勢いる。そして「何より単一民族に偏らない多民族国家だから安心できるのが良い。カナダは初めての留学にお薦め」と橋本さんは言う。 自己実現のため遊びはガマン しかし、留学はもちろん楽しいことばかりではない。遊びや買い物を我慢することも多いし、勉強が辛くて弱音を吐くこともある。しかし「自分自身が決めたことだから」と自分に言い聞かせ、やり通してきた。 高校卒業後は大学で国際ビジネス学お学びたい外交官になる夢はまだもち続けているが、最近は国際ビジネスにも興味をもち、卒業後はバンクーバーのカレッジで2年間ビジネスを学ぶ予定だ。その後はカナダ東部で、フランス語ベースの大学への進学を考えている。日本での大学生活にも憧れるが、あえて厳しい道を歩むつもりだ。少々迷っているのは「冬が厳しい東側の気候。寒いのが苦手だから(笑)」。少女らしい一面をのぞかせた。 |