18歳 カナダの自由な空気の中で ノースショアの山のふもと、海を見渡すように広がる美しい街ウェストバンクーバー。カナダ屈指の高級住宅街があり、自然に恵まれながらもどこか洗練された雰囲気が漂う。近藤准介さんはこのウェストバンクーバーのウエストバンクーバー・セカンダリースクールに通っている。 念願の語学研修がキャンセル 准介さんは、家族で海外を何度も訪れる恵まれた環境に育った。中学になると趣味の洋楽を通じて、英語が得意科目の一つになった。中学3年生の時には、学校から3週間、語学研修でバンクーバーへ行けるというチャンスが訪れた。この語学研修はだれでも参加できるわけではなく、英語の成績優秀者のみに参加が許されるもので、准介さんもその一人として選ばれたのだ。 短期留学から正規留学をめざす
バンクーバーでステイしたホストファミリーには同世代の息子がいた。「彼の友達とも仲良くなって、一緒に行動することが多くて、楽しかった」。 3週間という短期間ながら、学校以外でも十二分に「留学」を楽しめた。 このことが、後に高校進学から高校留学へと進路を変えることとなった。私立中学なため、エスカレーター式で高校に上がることができたが、同級生達とはあえて違う道を選んだ。そんな准介さんの選択に両親も賛成してくれた。 それから翌年9月の高校入学をめざして、留学準備が慌しく始まった。 高校入学を前にして
中学を卒業後の4月、准介さんは語学学校へ通うために、9月の新学期より一足早くバンクーバーへやって来た。 2度目の留学とはいえ、今回は高校入学という大きな目標があったため、少々気負いもあった。 しかし、なかなか思うように英語力は伸びてくれなかった。 ところが、ある日、学校へ行くバスに乗っていたら、それまでは、ぼんやりとしか聞こえなかった英語が、突然、はっきり聞き取れるようになった。 それからは、あせる気持ちもなくなりマイペースで英語力をつけていった。しかし高校入学まであと1ヵ月ほどにせまったある日。ローラーブレードで遊んでいた准介さんは、腕を骨折するアクシデントに見舞われた。骨折した腕は利き腕だったため、ペンを持つのがやっとだった。 共通の話題で友人を増やす
骨折というアクシデントに合い、どうなることかと躊躇したが、幸い8月中にギブスが外れ、カナダでの高校生活を迎えることができた。 語学留学の時とは異なり、周りは、ほとんどがネイティブスピーカーのカナディアンたち。社交的な准介さんにとって、彼らとの交流がなにより英語上達へと繋がった。 未来はまだ霧の中
夏休みに帰国した際、中学時代の同級生達は受験勉強の真っ只中だった。 将来を見据えている日本の友人達に触発されながらも、准介さん自身の将来については慎重だ。 友人の一人から「英語がペラペラになって将来保証されているね」と言われたりもしたが、「英語が喋れても将来が保証されているわけではない」と冷静に客観視している。 しかし、「せっかく習得した英語を生かしたい、好きな音楽も続けたい」といろいろな思いが交錯する。留学を後押ししてくれた弁護士の父は「後を継ぐことは考えず、自分の好きにしたらいい」と寛容だ。そんな両親に対して「感謝の気持ちと尊敬の念」をもちながら、准介さんは自分の将来を考えている。 |