春の訪れ2月以降は、バンクーバーの日照時間が徐々に長くなる。それまでのように毎日雨ばかりということもなくなり、雲ひとつない青空のもと太陽が照りつける夏のバンクーバーを思わせる天気が増えてくる。
新しい趣味は散歩小林さんは、カナダに来てから散歩をすることが格段に多くなった。
散歩して気づくこと散歩の魅力の一つは「普段では気付かない、何気ないことを発見できる」と語る小林さんだが、日照時間が長くなってからは以前より散歩をする機会が増えた。カナダは寒いイメージが先行するが、冬が終わりきらない時期から花が咲き始めた桜を見つけた時は驚いた。季節の移り変わりや、街並みの変化に気づくのも散歩の魅力だ。時間のある時は、デジタル・カメラを持って出かけ、普段とは少し違うルートを歩いたりと、新しい発見に余念がない。そのため、小林さんは、目的地が少々遠くても、できるだけバスは使わずに歩くよう心掛けている。 コミュニティーセンター小林さんは今年1月から、コミュニティー・センター(日本の市民センターと公共体育館が一体化した施設)で行われているコーラスの講座に通い始めた。歌うことが大好きな小林さんは、日本でも合唱団に所属しており音楽に触れる機会が多かった。
コミュニティー・センターのコーラス講座をとった理由は、カナダでも歌う機会が欲しかっただけでなく、センターに出入りすれば、地元の人と接することができるからだ。コーラスの講座は約1時間半で、色々なテクニックを学べる。また、今まであまり聴いたことのなかったジャンルの曲を歌うことが多いので、自分の音楽の趣味も広がった。受講者は10人前後で、カナダ人を始め、様々な国籍の人がいて日本人もいる。年代も若い人からかなり年配の人までと幅広い。好きな音楽のジャンルも音楽経験も異なる参加者との交流がとても興味深く、勉強にもなる。講座に参加した人のなかには、全く音楽経験がなかったが、この講座で歌うことの楽しさに目覚めた人もいた。 音楽は国境を越える小林さんは日本の曲をコーラス講座の仲間に紹介したところ、カナダ人男性から美空ひばりの「川の流れのように」を絶賛された。また、アメリカ人の友人からは坂本九の「上を向いて歩こう」を気に入っていることを聞かされ、小林さんは「音楽は国境を越える」ことを実感した。文化や言語は異なっていても、音を楽しむことは万国共通なのだ。日本の曲が知られていることを、うれしく感じると同時に、国境を越えて人々の心に響く音楽の素晴らしさを再認識することができた。 |