快適なカナダの夏。真っ青に晴れ上がる空がまぶしい季節になると、多くの語学学校が、アウトドア活動を取り入れたプログラムやレジャー性の強いプログラムを開始して、語学留学が一段と活発化する。英会話は楽しみながら学ぶと一段と上達が早い。教室内で行われる講義に出席するだけが上達への最短距離ではないことも多いのだ。
外国語を上達させるには、自分から積極的に行動して実際にその言葉を自分の体のなかに浸透させるしかない。教科書をまるごと暗記するよりは、自分のハートで感じた感覚を口に出してみる方が効果的だ。それには、より自然に外国語に接する環境を選ぶことが一番だ。その環境が楽しければ楽しいほど助けになることは言うまでもない。楽しむことから始めて、軌道に乗った後は実用的なコースへと段階的に進めば外国語が確実に身につき、時間を追って見違えるように上達するだろう。

大自然のなかでサバイバルに挑戦しながら英語も習得
Trailblazer Program:
King George College

ブリティッシュ・コロンビア（BC）州バンクーバーにあるキングジョージ･カレッジは、15歳から19歳を対象に、アウトドアでサバイバル技術を学ぶと同時に、自己表現や決断力を養う4週間のESLトレイルブレーザー･プログラムを行っている。プログラムの内容は、4人から6人で構成された3つほどのグループ同士が、技術を競い合うもので、個人でもグループでも参加できる。各グループはアウトドア専門家の監督の下で、それぞれに意思決定を行い行動する。競い合う種目は、リーダーシップ、応急処置、CPR（心臓機能回復法）、環境保全思考、オリエンテーリング、地図作成、水泳、海上安全、ウォーター・スポーツ、ハイキング、キャンピングなど。コンパスの使い方、マッチを使わずに火を起こす方法、緊急シェルターの作り方、ロープの縛り方、屋外生活における衛生管理、効果的で実用的なコミュニケーション･スキル、討論と問題解決技術などを習得しながらポイントを競い、90ポイント以上を獲得したグループと個人に優秀賞が与えられる。

参加希望者は、参加目的を150〜250語の英作文を願書と一緒に提出しなければならない。持参するものは零下10度まで使える寝袋、バックパック、防水ズボンなどのキャンプウエアなど。参加費用は1950USドルで、4週間のホームステイも含まれている。

ESL + デジタル・メディア修了証プログラム
ESL / Digital Media Certificates:
Bodwell Internet School

バンクーバーのボドウェル・インターネット・スクールは、英語とデジタル技術を同時に学べるESL＋デジタル・メディア修了証プログラム（2ヵ月、4ヵ月、6ヵ月、8ヵ月）を行っている。
8ヵ月のプログラムはESL480時間とデジタル・メディア400 時間から構成され、 グラフィックとインターネットデザイン論、 Photoshop、ImageReady、Illustratorを使ったWebとプリント・グラフィック、HTML、JavaScriptを使ったウェブ・オーサリングとスタイル・シート・カスケーディング、 FlashアニメーションとActionScripting 3Dモデリング、特殊効果、QuickTimeVR デジタルビデオと音響プロダクション、 SQL サーバーとColdFusionを使ったオンライン・データベース・デザイン、XMLを使ったデータ・インテグレーションなどが含まれている。受講資格はTOEIC（600）、TOEFL（ペーパー490、コンピューター163）。授業料は2475ドル（2ヵ月）、4400ドル（4ヵ月）、6500ドル（6ヵ月）、9300ドル（8ヵ月）。

地元の生徒と一緒に参加するサマー･プログラム
Regular ESL & Campus for Kids:
St.Clair College

オンタリオ州ウィンザーのセント･クレア･カレッジでは、年間を通じて一般ESLを行っているが、英語に自信がある子供たちにお勧めなのが、夏休みに地元の子供たちと一緒に参加するキャンパス･フォー・キッズ・プログラムだ。キャンピング、チェス、アート＆クラフト、スケッチ、サイエンス、写真、手品、ベビー・シッティング、クッキング、アドベンチャー、ネイチャー･ディスカバリー、ペット･ケア、ドラマ、建築、手話、バドミントン、バスケットボール、フロア･ホッケー、バレーボール、セルフ･ディフェンスなど、6歳から10歳以上までが参加できるプログラムが6月末から8月末まで開講されている。すべて1週間のプログラムで、参加費は150ドル。二つ以上のプログラムに参加する場合は料金が割り引きとなる。
カナダの小･中学校の夏休みは長いため、このようなサマー･プログラムに参加する生徒は多い。留学生用のプログラムではないため、宿泊の手配等も各自で行わなければならないが、現地の生活をじかに感じる貴重な体験が得られるだろう。

周遊しながら行う語学研修
Across Canada Program:
Languages International

語学研修を兼ねてカナダを旅行したい人に最適なのが、カナダ全国の5都市（モントリオール、トロント、ウィニペグ、バンクーバー、ビクトリア）にある学校をネットワークしたランゲージズ･インターナショナルのアクロス･カナダ・プログラムだ。訪れたい町を2つ以上選べば、学校から学校へ移行することができ、空港出迎えやホームステイも一括してアレンジしてくれる。受講条件は一ヵ所に4週間以上滞在することで、各町での滞在期間が一定である必要はない。クラスは週当たり25時間行い、参加費用は最初の町の4週間授業料が1850ドル、4週間の延長料金は1550ドル、3つの町でそれぞれ4週間受講した場合は5500ドル、2つの町でそれぞれ8週間受講した場合は6800ドル。

祝祭日を楽しむESL
Holiday Special Event ESL:
Metropolitan College

祝祭日にはその国の習慣が経験できて楽しいものだ。その楽しさを中心にプログラムを組んだのがオンタリオ州ハミルトンのホリデー･スペシャル・イベントESLだ。 クリスマスを始め、元旦、復活祭、カナダ･デー（カナダの建国記念日）、感謝祭などの他、ハロウィーンなどのイベントも人気がある。グループ参加も可能で、100人のグループまで受け付けてくれる。授業はESLとアクティビティーを組み合わせたもので、週末にはナイアガラの滝やトロントへのツアー他、スポーツ観戦、ピクニック、カヌー、ハイキング、リバー･ラフティングなども行う。ESLでは、単語、聴解力、発音、慣用句、スラング、文化背景などに焦点を当てている。参加費用は1週間600ドル。

Teen Program:
Connect School of Languages

オンタリオ州トロントのコネクト･スクール・オブ･ランゲージズでは、13歳から18歳までを対象にしたサマー･ティーン･プログラムを7月初旬から8月末まで行っている。プログラムは1週間から参加でき、午前中の授業と午後のアクティビティーを合わせたもので、授業のなかには、カナダの伝統的なゲームやエクササイズ等を通して、カナダの文化、ライフスタイル、生活習慣等を学び、日本を外から見つめて新しい発見と発想を得ることを目的とするような科目もある。午後のアクティビティーでは、トロント市内の名所を周るほか、ビーチでのバーベキュー、ビーチ・バレー、サッカー、映画、スポーツ観戦に加えてワークショップも行う。また、「Great Canadian Weekend」と題して、アルゴンキン地方への2泊3日でのツアーを行い、美しい湖、新鮮な空気、野生のオオジカや熊との遭遇、ハイキング、水泳、カヌー、キャンプファイヤー等、カナダの「大自然」を存分に体験する。
参加費用はホームステイや空港出迎えがついたフルパッケージが1週間825ドル。ホームステイと空港出迎えがない場合は1週間325ドル。アルゴンキンへの2泊旅行が225ドルとなっている。

バンフのYMCAで観光とESL
Adventure for the Mind ESL:
Banff Y Mountain Lodge

休みを利用してロッキー観光と英語のグループ学習に最適なのが、アルバータ州バンフのYMCAが経営するマウンテンロッジのアドベンチャー･フォー･ザ･マインドESLプログラムだ。ESLの内容は受講者の希望に合わせ、旅行者用英会話、基礎英語、一般英会話、ビジネス英語などが開講される。有資格のガイドに連れられてのカナディアン・ロッキー観光に加え、カヌー、マウンテンバイク、山岳写真ワークショップ、カーリング、アイス･スケート、スキー、クロスカントリー、犬ゾリなどのアクティビティーも楽しめる。参加最低人数は12人。宿泊はYMCAを利用し、料金は季節により異なるが、参加費用は部屋により1泊44ドルから90ドル、家族用が1泊72ドルから130ドル。12歳以下は無料となっている。