西田 優希 (にしだゆうき) 私は失敗よりも後悔を恐れた
現在、英会話講師をしている私は、時々生徒から留学の相談を受ける。「今の仕事を辞めてまで留学をする価値があるのだろうか」、「20代後半で新しい環境に飛び込む勇気がもてない」と。私も同じような悩みを抱えて決断し、留学、そして今に至っている。でも、私のケースをそのまま他の人に当てはめることはできない。その人にとってどちらが良いかなんて、誰にもわからない。 私が20代半ばで仕事を辞め留学を決めた時、それが正しい選択なのかどうかわからなかった。ダンサーを目指しニューヨークへ行ったものの、結局は英会話講師になったのだから、ダンス留学という選択は正解でなかったと言う人がいるかもしれない。しかし、私は「正しい選択」だったと思う。残念ながらダンサーにはなれなかったが、それでも後悔は全くない。それよりも、あの時、失敗を恐れ、留学という挑戦を避けていたら、今頃きっと後悔していただろう。私は、失敗よりも後悔を恐れていたのだ。 留学するかどうかを悩んでいた私にあった強い想いは「後悔はしたくない」だった。もちろん留学することによって手放したものもあった。でも、留学を終えて後悔が全くないのは、何かを手放した代わりに手に入れたものの方が、はるかに大きいと思えるからだ。何もしなくて後悔することはあっても、何かをして後悔することはないのではないだろうか。これが、留学を終えて思うことだ。 そして、もう一つ。 |