特集
ピープルシティ・トロントの素顔

This is Toronto.


カナダ最大の街トロント。マンハッタンの街角を思わせる高層ビルもあれば、ヒップなアート感覚溢れるストリートもある。ブロードウェイのような劇場が並び、話題のミュージカルやメジャーリーグの迫力あるスポーツも堪能できる。「1日で世界一周ができる」と言われるくらい、多くの民族が集まっているトロントは、ビジターも優しく受け入れる心地良さと刺激がいっぱいつまったピープルシティだ。

世界が見えるエスニックタウン

 トロントには、大多数を占める民族はない。イタリア人、ポルトガル人、中国人、ギリシャ人、インド人、アイルランド人、韓国人、ユダヤ人、ジャマイカ人などルーツが異なった人たちが集まり、それぞれの人種が作ったエスニックタウンが点在している。エスニックタウンには、本場の味を伝えるレストラン、スナックが楽しめるスタンド、衣料品や雑貨、音楽CDや、DVDショップなどその国の文化を伝えるショップが立ち並び、いながらにして世界旅行が楽しめる。どのエスニックタウンも中心地に近く、バス、地下鉄、市電などで手軽にアクセス可能。エスニックタウンを回れば、トロントの素顔が見えてくる。

ブロードウェイに先駆けて観る

 トロントは、北米きってのシアター天国だ。地下鉄St. Andrew駅からKing St. West沿いにはミュージカルや、ダンス、芝居などを上演する劇場が数多く並んでいる。ニューヨークのブロードウェイやロンドンのウェストエンドでヒットした作品はもちろん、ニューヨークやロンドンに先駆けて公演されるショーもあるぐらいだ。
King StからQueen St. Westにかけてはクラブが林立。週末は、深夜でも行列ができ、数多くの若者で賑わう一角だ。ヤングエグゼクティブの支持も厚く、比較的健全で洗練された雰囲気のクラブが多いのもトロントにあるクラブの特徴だ。

熱狂的なファンに囲まれてスポーツ観戦

トロントは、大リーグ(MLB)に所属するブルージェイズ、バスケットボール(NBA)のラプターズ、アイスホッケーリーグ(NHL)のメイプルリーフズの本拠地で、特にカナダの国技であるホッケーのファンは、熱狂的なことで知られている。試合のある日はユニフォーム姿のファンがあちこちで見られ、スポーツバーも大盛況だ。人気があるだけにホッケーのチケットの入手は困難で高額だが、野球のチケットは日本に比べてぐっとリーズナブル。この機会に海外で活躍する日本人選手を応援しに出掛けてみよう。外野席なら$2!という破格のチケットもある。

アート感覚に包まれる 

 ストリートでは、ポップな壁画を見かけたり、街中にオブジェがあったりと、トロントの街中でアート感覚を味わえる。美術ファンなら、カナディアン・アートを代表する画家たちの作品を集めたオンタリオ美術館(Art Gallery of Ontario)、マクマイケル・カナディアンアート・コレクション(McMichael Canadian Art Collection)、トムソン・ギャラリー (The Thomson Gallery)は見逃せない。
そして、高級ブランドショッピングが楽しめるヨークヴィル、個性的なセレクトショップが集まったクィーンウエストエリア、ヴィンテージアイテムなど古着好きが集まるケンジントンマーケットなど、ファッションフリークをも満足させてくれるスポットが存在する。

トロントに留学

 カナダを代表する名門校トロント大学。このトロント大学で、赤城希美さんは都市計画学科を専攻している。
父の仕事の関係で小学校5年生から中学2年までをアメリカのインディアナ州で過ごした赤城さんは、日本に帰国後、国立大学合格率の高い進学校に入学。文系、理系に分かれたクラスで大学合格のための受験勉強に時間を割くより、「将来に向けて何を勉強したいのかをじっくり考えたい」と思い、高校から単身でトロントでの留学生活を開始した。

 トロントを選んだ理由は、治安が良いことと、日本人の生徒数がそれほど多くないこと。トロント大学に入学して良かった点は、大学1年目から学部を決めなくても良く、興味のある科目をいくつか取ってみて、2年生になる前に決めることができる点だ。

 勉強量は多いが、一日中授業で埋まる時間割ではないので、比較的自由な時間も取れ週2日は講義がない。しかし、赤城さんは、講義がない日もほとんどキャンパスで過ごし、放課後は大学の友達と集まって、コーヒーショップで勉強している。キャンパス内では、日本人の留学生と、日本へ留学するカナダ人が情報交換できるようにと設けられた組織に所属。卒業後は、帰国して専攻分野で就職することを目指して学業に励む一方、マルチカルチャーが行き交うトロントならではのキャンパスライフを満喫中だ。

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