ライフ - 連載コラム記事
連載 8

ワーキングホリデー
体験レポート

小林 清華 ( こばやしさやか ) さん
東京国際大学経済学部国際経済学科卒業 静岡県出身

前回までの記事はホームページのバックナンバーでご覧ください。

ワーキングホリデー

光陰矢の如し

  全く、その通りだ。
月日が経つのは本当に早い。
私がカナダの地に降り立って、8ヵ月が過ぎた。ペンティクトンに来てからは、すでに5ヵ月。すっかりここでの生活が当たり前になってしまっている。あの暑かった夏も、あっという間に終わってしまった。この町は夏のリゾート地なので、夏が終わると町を離れていく人が多い。ホステルの長期滞在組のほとんどが、新天地に向け旅立ってしまった。寂しいけれど仕方がない。ゴールは別々なのだから。みんな、がんばって欲しい。そして、私も負けないようにがんばらないと!


  さて、私の生活はというと、特に変わりもなく、ホテルとジャパレス(ジャパニーズレストラン)で昼夜働く日々が続いている。ホテルの方はピークも過ぎ、だいぶ楽になってきているが、ジャパレスの方のアルバイト従業員が私一人になってしまい、ここ1ヵ月は週5日、5時から10、11時まで働いているため、なんだか自分の時間がないように感じる。


ワインの美味しさを発見!

 

 とにかく働きまくっている私だけれど、自分なりの息抜きを見つけた。実は、ワイン三昧の生活を始めたのだ。 私はもともとあまりワインが好きではなく、そのおいしさがわからなかった。でも、ワイン好きの友達の影響で、ちょっとずつ飲むようになり、今では楽しみの一つになった。オカナガン地方には数多くのワイナリーがあり、おいしく、しかも安いワインが豊富だ。ワイナリーは景色が良く、テイスティングもでき、さらにリカーショップで買うよりワインが安く手に入るので、ワイン好きな人にはたまらない場所だろう。オカナガンが「ワイン天国」と呼ばれる訳がわかるようになってきた。これから冬に向かい、あまり外に出なくなってしまうかもしれないけど、せっかくこんな素敵な場所にいるのだから、できるだけ時間を作って、たくさんのワイナリーに行ってみたい。


ワーキングホリデー

  くり返しになるが、ここは景色も素敵! 5ヵ月間毎日同じ景色を見ているにもかかわらず、未だにこの景色に感動している。天気が悪い日でさえ心が洗われる、こんな場所に出会ったのは初めてだ。少し前に、自転車でケトルバレートレイル(注:BC州グランドフォークとブロンディーの間にある455キロの山道)をサイクリングした。鉄道の廃線跡を利用したハイキング&サイクリングコースで、鉄橋や木造の橋、トンネルなどを通った。運動不足の私には、少々過酷だったが、景色は本当に美しかった。ペンティクトンの街の景色も素敵だが、ちょっと奥に踏み込むと違った美しさを発見できるから、「もっともっと外に出たいとなぁ」と思う。


1年しかないワーキングホリデー。

  いつの間にか、期間が残りが少なくなってきている。 日本で思い描いていた生活より、はるかに楽しく充実している。以前は、「ワーキングホリデーが終わったら、旅行をして日本に帰るのだろう」と漠然と思っていたが、日本に帰って生活している自分なんて、全く想像できない。今は、ここに住んでいる自分しか思い浮かばない。「このままここにいたい」とさえ思うようになった。 どうやら私はすっかりこのペンティクトンという町に魅了されてしまったみたい。ひたすら働いてきたので、ゆっくり考える時間がなかったけど、これから今後のことをもっと真剣に考えないといけない。幸い、ホテルの仕事も落ち着いてきたことだし、残りのワーホリ生活は、仕事をちょっとスローダウンし、自分を改めて見つめ直してみよう。驚くほどの貯金もできたし!

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