連載コラム記事
  ワーキング・ホリデー追跡日記 ことばと

 

小林久美子さん
学習院大学法学部政治学科卒業。
特許関係の事務所で1年半勤務。
ワーキング・ホリデー・ビザで
2003年9月に渡加。


追跡レポーター:
山本英徳(やまもとひでのり) departure@cside.com


昨年10月30日に、小林さんはバンクーバーの語学学校ILSC(International Language School of Canada)のビジネス英語1ヵ月コースを修了した。帰国後に英語を使える仕事に就こうと選んだコースだ。ILSCでは、1ヵ月ごとに、授業を選択できるシステムになっている。ILSCにはフレンドリーな先生が多く、授業は生徒が質問やトピックを出して話し合う生徒主導型で、小林さんの希望にぴったり合っていた。
またILSCは、クラス内の授業ばかりに重点をおかず、皆で校外に出たりゲームをしたりして、楽しく学ぶ事に重点を置いている。
課外活動には旅行や映画鑑賞など様々な企画があるが、なかでも花々がひじょうに美しいブッチャート・ガーデンがあるビクトリアへの旅行が印象に残った。

ILSCのビジネス英語クラスは実用面からもひじょうに役に立つのだが、学校に行くことのメリットは友達ができることでもあった。友達ができたことで、英語力も向上し、他の文化を吸収して友達との共通文化を見つけることができた。また学校に行ったことで自信もついた。小林さんは人前で話すことが苦手だが、それを克服するために積極的にクラスのプレゼンテーションにチャレンジし、自信につながった。これも、学校がフレンドリーな雰囲気をもっているおかげだと小林さんは強調する。

異文化交流

多くの友人ができたことで、今まで知らなかった国の文化に触れる機会を多く得た。マナーや考え方、社会環境など、日本との相違点で驚きも多かったが、同時に興味深い発見が多かった。
現在世界が抱えている問題や歴史について友達と話し、教科書やメディアからではない生の意見に触れたことで、視野が広がった。

文化の差を発見すると同時に、意外にも共通点が多いことにも気付いた。
カナダにはアメリカ文化が浸透していることや、日本のアニメがよく知られていたり、日本独自の文化だと思っていた折り紙が実は韓国では遊びとして存在していることを知った。 授業以外でも彼らと一緒に映画を見たり飲みに行ったりしたことは忘れられない思い出になった。

初めてのアパート・シェア

小林さんは、バンクーバーのダウンタウンに近いウエスト・エンドと呼ばれる地区にあるアパートの最上階で、カナダ人ショーンとの共同生活を始めた。家賃を折半するためにカナダ人はよくアパートをシェアする(共同で借りる)。寝室が2つある便利なアパートで、最上階だけあって部屋からの眺めは最高だ。

他人とのアパート・シェア生活は全てが新鮮でとても楽しく、新しい生活を経験したことで、学業とは違った面で自信がついた。
しかし、アパートをシェアすることは思ったより大変なことにも気がついた。相手がカナダ人であるため、当然ながらコミュニケーションは英語で、英語力の不足が問題になる場合もある。また、共有スペースであるキッチンとバスルームもお互いに掃除しなければならなかったり、消耗品を買い足したりと、お互いが責任を分担しなければならない。ホームステイと比べてアパートで暮らすことは自由だが、その分やるべきことが多く、時に寂しさをも感じるという。

小林さんが一人暮らしを始めて、特に気を配っているのが栄養のバランスと食費を安くおさえることだ。朝食は主にシリアルやパン、昼にはサンドウィッチなどを作り、夜はパスタやご飯、チャーハンやサラダを作り、できるだけ野菜を食べるように心掛けている。食費をおさえるためには、値段の安いパスタを選んだり、一回に食材をまとめ買いしたりと工夫している。

新しい目標はアルバイト

語学学校のビジネス英語コースを修了した小林さんには、新たにカナダで「働く」という目標が生まれた。合法的にカナダで働けることが、ワーキング・ホリデーならではの特権だ。一生懸命働き、冬には思いっきりスキーを楽しもうと小林さんは夢を膨らませている。
仕事が落ち着いたら、トロントやモントリオール、ナイアガラなどカナダの東部にも行ってみたいと積極的だ。