連載コラム記事
  ワーキング・ホリデー追跡日記 ことばと

 

小林久美子さん
学習院大学法学部政治学科卒業。
特許関係の事務所で1年半勤務。
ワーキング・ホリデー・ビザで
2003年9月に渡加。


追跡レポーター:
山本英徳(やまもとひでのり) departure@cside.com

カナダ初滑り。

バンクーバー市内ではあまり雪が降らないと言われているが、今年は少し例外だった。今年は、連日雪が降り続き、気温も例年と比べ低かった。スキー場は、コンディションもかなり良く、スキーヤーの小林さんにとっては願ってもない状況だった。

昨年12月に、小林さんは、バンクーバーに隣接するノース・バンクーバーのグラウス・マウンテンで、カナダの初スキーを楽しんだ。グラウス・マウンテンはバンクーバーのダウンタウンからシーバス(通勤用フェリー)とバスを乗り継いで約30分という近場にあり、晴れている日には山頂からアメリカまで見渡せる。小林さんが訪れた日も快晴で、あたり一面の景色が一望できた。

スキーとの出会い

小林さんがスキーを始めたのは6歳の時だった。
しかし、両親に半ば強制的に連れていかれた事もあり、最初は全く面白いと思うことはなかった。中学生になってからは両親と一緒にスキーに行くことに抵抗を感じ出し、全くスキーをやらない時期が続いた。そして再度スキーを始めたのは大学4年の冬だった。授業の一環で行ったスキー研修で雪の上を駆け抜ける魅力に目覚め、年に6回くらいスキー場に通うようになった。
それからは、ファンスキー(カナダではスノー・ブレードと呼ぶ)を始めたり、スノー・ボードにチャレンジしてみたりと、ウインター・スポーツの虜になった。

今期はスキーに10回行くことを目標にしている。そして、2010年に冬季オリンピックが開催される北米最大のスキーリゾート、ウィスラーにも行ってみたいと思っている。

日本のスキー場との違い

カナダでの初滑りを終えて、日本のスキー場との差はさほど感じられなかったが、スキー場にスケート・リンクも備えられていることには驚いた。また、ゴンドラで頂上まで上がっても、スキーはしないで景色だけ見る人が多いことにも驚いた。ここのスキー場は景色が美しいことが特徴なのだが、日本ではあまり見られない光景だ。これほど市街地に近いところにスキー場があるのも、バンクーバーならではだ。

英語とコミュニケーション

昨年11月からテイクアウト中心の日本食レストランで働き始めた小林さんだが、現在は色々な仕事を任されるようになった。人手が足りないこともあるが、小林さんの努力が認められた証拠でもある。
以前は、キッチンでお寿司を作ったりホット・ミールを作ったりと、お客に接する機会があまりなかったが、現在ではキャッシャーを任されるようになり、お客と接する機会が格段に増え、英語を学ぶ点でとても勉強になると思うことが多くなった。お客はカナダ人、メキシコ人、韓国人、日本人と様々だ。日本人以外とは英語で話すことになるが、特にネイティブ・スピーカーとのコミュニケーションは本当に勉強になる。お客が注文する時の言い回しを聞いて、自分も逆の立場の時はこのように注文すれば良いと気付いたり、ちょっとした世間話をしてみたりと、短い会話から吸収できることがとても多い。英語で世間話をするのは難しいが、少しずつ英語を学んでいきたいと積極的にチャレンジしている。

また、自分がお客を相手にする立場になったことで、自分がお客として色々な店に行った時に、そこの店員の接客方法や英語のフレーズなども注意して観察するようになった。耳に入ったフレーズを真似してみようと思ったりするなど、小林さんは自分の視野が広がって、考え方が柔軟になったことを感じている。 最近は、ダウンタウンのコミュニティー・センター(市が経営する会館)でコーラスの講座に参加するなど、日常生活の行動範囲も積極的に広げている。