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Money Survival

すべての卵を一つのバスケットに入れるな

資産管理の概念が進んでいる北米では、「すべての卵を一つのバスケットに入れるな」と言う格言が良く使われる。これは、持っている卵を全部一つのバスケットに入れると、バスケットが崩れた場合、卵も全部崩れてしまう、と言う意味だ。世の中には、絶対に安全という投資物件はない。土地を含め、投資の対象になる物件の価値はすべて、それぞれ独自に上下変動する。土地の値段が下がった時に上昇する株もあるし、株や債券も一つ一つが独自に変動する。だから、一つの物件に集中的に投資することや、変動のサイクルが似ている物件に集中的に投資した場合、そのリスクがひじょうに高くなるわけだ。こうした変動を包括し、緩やかな上昇を保って資産を守るのが資産管理の概念で、資産管理の基本は、リスクを最小限に留めるための分散投資だと言われている。

分散投資と投資信託
北米で行われている分散投資の概念を象徴しているのが投資信託だ。日本では投資信託のイメージは良くないが、これは今までの投資信託会社の質が悪かっただけで、投資信託のせいではない。投資信託は客から預かった金を投資会社が運用して投資するもので、投資先の会社や物件をプールして「一つのバスケットに総ての卵を入れない」ようにしてポートフォリオを作っている。しかし、ポートフォリオに入った会社や物件を一つの産業に絞ったものや、異なった産業をミックスしたものもあり、元金保証から高利率のものまで幅広い。カナダには二千前後の投資信託のポートフォリオがあるが、こうした中から消費者が自分のニーズに基づいて最も適したものを選ぶわけだ。資産を守る点から薦められるのは、何十、何百の種類の異なった会社の株が入った投資信託だ。例を挙げるなら、上下する株の種類を巧く組み合わせて、インフレ+3%前後の利率を稼ぐプランなどだ。膨大なデータに基づき作られる科学的なポートフォリオが、北米の消費者の財築ニーズを満たしている。

資産管理はプロに任せる
金融自由化の今、世界中の金がひじょうに早い速度で移動している。日本から外国に投資することも簡単になった。世界の経済が、国ベースではなく、産業や企業ベースで動き出したことを考えると、日本というバスケットに総ての卵を入れておく危険性も考えるべきだろう。カナダを始め、そうした日本の消費者に対応する資産管理会社が、世界の投資先進国に増えてきている。例えばカナダの投資会社を通じて投資信託を買う場合、カナダの銀行にカナダドルの口座を開けば、月々50ドル(約4100円)からでも買える。最初は財産をドルでもつことに不安を感じる人は多いが、国境を越えた資産管理はすでに始まっているのだ。