大阪府大阪市出身 17歳 Eric Hamber Secondary School 10学年在学中 先生の勧めで早めた留学両親の勧めで国際科がある高校に進学した沙織さんは、その学校の留学プログラムを利用し、高校1年の1学期を終了した後、バンクーバーに渡った。入学前は高校2年での留学を考えていたが、担任の先生の「留学は早い時期が良い」というアドバイスで、予定を1年繰り上げた。留学先をカナダに決めたのも先生の意見によるもので、現在このプログラムを利用し、同校から数名がバンクーバーの各地に滞在中である。帰国後は留学期間中の単位がそのまま認定され、進級することができるシステムだ。
初海外にして単身留学竹中さんにとって、この留学は初めての海外。2004年8月末、緊張と期待を膨らませてバンクーバー国際空港に到着。空港へはホストファミリーが出迎えに来てくれた。ホストファミリーは、コケイジャン(白人)と中国系のカナダ人家族で、ホストマザーは大学の先生。ひとり娘はカナダ東部のオンタリオ州トロントの大学へ行っている。家は、ダウンタウンから5キロほど南下した街にあり、空港まで車で10分もかからない便利な地域である。
楽天精神に支えられた日々カナダに来て1週間ほどでハイスクールの授業が始まった。「初めは何もわからず、いわゆる“日本語英語”も全然通じなくて、ただ席に座っているだけ」の日々が続いた。大らかで物事に動じないのが信条の竹中さんは、「どうにかなるだろう」と、あまりくよくよしなかったが、RとLの発音に心を砕いたり、夕食の時間にホストファミリーと積極的に話したりと、努力も怠らなかった。そうした結果、冬になる頃には授業内容が聞き取れるようになった。仲良しの友だちもでき、ホームシックにもなることなく、これまで1度も帰りたいと思ったことはない。
バンクーバーマラソンではボランティアとして活躍(右) 陰の努力でオールBをマーク現在取っている科目は、ESL(国語・社会)、科学、数学、陶芸、体育、ギターの6教科で、どの教科もBという好成績だ。カナダの通知表は絶対評価で、出席状況、宿題や課題の出来具合、テストの成績などを総合して評価される。最高点はA+、最低はF(Fail=落第)となっているが、留学生がBをマークするのは大変なこと。竹中さんは勉強方法として、宿題をこなすほか、英語の本を読むことを自分に課している。「辞書を引き引き」の忍耐勝負だが、すでに何冊も読破した。現在はハリーポッターの最新刊を読んでいる。
日本文化紹介でも一躍!Japanese Dayで大人気だったお好み焼き 竹中さんは、いろいろな学校行事にも参加している。国際理解に力を入れているEric Hamber Secondary Schoolでは、選択科目に日本語もあり、年に1度「Japanese Day」が行われる。日本の文化紹介が目的で、昨年は日本語担当教師と竹中さんたち日本人生徒でお好み焼きの屋台を開いた。衣装は日本の高校の制服。かわいい衣装も屋台も大人気で、「今年も何か食べ物を売る予定」である。同様に「Chinese Day」「French Day」など、各国の紹介が持ち回りで行なわれるが、「Japanese Day」は特に注目されているようだ。
授業でカーリングやゴルフもウィスラーで友だちと 他にも、学校主催のハロウィン・ダンスパーティーで踊ったり、体育の授業でボーリングやビリヤードに行ったり、竹中さんは日本では経験できないことやカナダならではの行事を楽しんでいる。今年はカーリングやゴルフも行なわれる予定で、今から心待ちにしている。また、同校では国際留学生だけを対象に、次回の冬季オリンピック会場となるウィスラーへのスキー&スノーボードツアーも行っている。
友だちと国際カラオケやスノボ旅行へ学校の遠足で行ったBC州都ビクトリアでの思い出(後列右から2番目) 休みの日は、友だちとショッピングに行ったり、ボーリングやカラオケに行ったりもする。カナダではカラオケ店も国際的で、英語・日本語・韓国語・中国語の曲が常備され、韓国人の友だちは韓国語の歌、竹中さんは日本語の歌を歌う。また、連休を利用して、インターネットなどで情報を調べ、長距離バスに乗って、ウィスラーまでスノーボードに出かけたこともある。「毎日が大切な楽しい思い出。どれが1番とは言えない」と語る竹中さんの目下の目標は、帰国までに車の免許の取得すること。ホストファザーが運転を教えてくれることになっている(注:カナダでは教習所に通わず各自で練習する)。
留学を延長、卒業を目指す1年の予定だった留学をハイスクール卒業までに延長し、今年2回目のカナダでの春を迎えた竹中さん。将来は旅行会社など、英語を使う仕事に就きたいと夢を描いている。
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