スタディ - 留学・英会話
Ritsumeikan at UBC.

立命館・ブリティッシュ・コロンビア大学
ジョイントプログラム・レポート:12

 

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森下加那子(もりした・かなこ)

アジア太平洋大学・アジア太平洋マネージメント学部3回生. 愛知県出身。
趣味は映画・ミュージカル鑑賞、買い物。海外と関わりのある職業に就くことが将来の希望。 写真:ポットラックをしたクラスメートと。

カナダに来て5ヵ月になってから、留学で残された日数を数えるようになった。UBCで 第2タームを迎えた今、一緒に留学したクラスメートたちも残りの月日を意識せずにはいられないようだ。

 

アジア太平洋大学を1年休学しバンクーバーに来ていた私の友人が、去年の12月に帰国した。帰国する時にその友人は、「もうそろそろラストスパートをかけた方が良い。後半はほんとにあっという間だから」という言葉を残した。いつでも頭ではそのようなことは十分理解している。そのつもりで、後悔しないよう、毎日を過ごしてきた。今まで自分が成し遂げたことは自分の強みへと変わり、そのなかで新しい自分と出会えた気がする。 この留学は人生の機転となったともいえよう。

 

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ケベック旅行でのスナップ。
ケベックの昔の衣装を身に着けて。

カナダに来て、とにかくいろいろな人と「Nice to meet you」と笑顔を交わした。国境を超え、年齢を超え、そして言語を越えている。ルームメート、ボランティア、旅行先で出会った人々、そして同じクラスの友達。一期一会の連続である。そこから友人としての交流が始まるわけだが、人はだれでも、自分と同じような背景や興味、経験をもっている人と無意識にかたまってしまう傾向があるようだ。これは、万国共通の人間の本能であるのかもしれない。私の場合、日本人やアジア人、同じ学部、一緒にUBCに来ている交換留学生などである。バンクーバーのような多文化社会でも、社会全体を見たらモザイク社会ではあるが、個人に目を向ければ、自分と似たもの同士で価値観を共有しながら固まって生活しているのではないだろうか。

 

今、3ヵ月でこの留学プログラムが終わるのだということを考えた時、もっとカナダの生活をカラフルにできるのではと思った。それは人との交流である。 自分自身の興味や好奇心、前向きな心、相手を理解しようという気持を継続させれば、自分の価値観は広がり、その価値観を共有する人とのつながりはもっともっと深くなるはずである。それが結果的には、人間同士の相互理解につながるものだと思う。自分から行動しなくてはいけない。自分の好奇心も将来を追うことも、勉強することも。

 

第2タームに入ってから、英語にどっぷり浸かる生活になってきた。 コマース学部の消費者行動論の講義の初日、英語についていけず青ざめていたら、隣にいた生徒が話しかけてくれた。その隣の生徒も、そしてその前に座っていた生徒も。青ざめていた私は一瞬にして救われた。今では週末に一緒に食事をし、休日を一緒に過ごす仲になった。彼らが私に話しかけてくれたことは、ある出発点だったようだ。彼らから学ぶこと、彼らに日本を教えてあげること、一緒になって笑うこと、一緒に学ぶこと、全てが自分を創りそして相手を創る。

 

相互理解で大事なものは「人のハート」である。ハートがなければ始まらないし、ハートが欠けてしまうと自分を客観的に見ることすら忘れてしまう。 ギブ・アンド・テイクな関係でコミュニティーや社会が成り立っているのに、人のハートを知らずに本当の意味での国際人にはなれないであろう。 たった1回耳にしたことや感じたことでその国や人を判断するのはとても危険だ。大きな間違いが、ネガティブなステレオタイプも生むし、偏見の持ち主にもなりかねない。

 

だから、今カナダにいる自分が率先して「人」とのつながり合うなかでその危険性を取り除き、それをまわりの人に伝えることが私の役目であろう。私も、その社会を創るエナジーとなる一人の「人」である。自分が自分の力でできる範囲から国際交流に貢献したい。 これからの生活は忙しくなるに違いない。それが思い出作りになろうが、将来への基盤になろうが、とにかく私はもっと人を知り、時間が許す限り、ここで出会うことができた素敵な友人達との時間を大切にしていきたい。

 

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