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連載 11
ワーキングホリデー体験レポート
小林 清華( こばやしさやか ) さん
東京国際大学経済学部国際経済学科卒業 静岡県出身

前回までの記事はホームページのバックナンバーでご覧ください。

同じ悩みを持っている日本人が大切な存在になった

ワーキングホリデー体験レポート写真  ペンティクトンという町にステイしている人は、旅好きの人が多い。もっとも、ホステル利用者のほとんどは旅好きだろうけど。
ホステルで生活していると、カナダ人はもとより、色々な国の人と出会うことができる。もちろん、ワーキングホリデーでカナダに来ている日本人にも。
ここで出会うワーキングホリデーの日本人は、今までどこか別の場所にいて、次の場所を求めて移動している途中だという人が多い。
以前は、そんな日本人を見かけても、自分から話しかけるということはなかった。けれど、シーズンオフの今は、日本人には滅多に出会わないからか、日本人らしき人をみかけると、つい声をかけてしまう。ホステルの滞在者たちは、日本人は全て私の友達だと思っているほどだ(笑) 

ワーキングホリデー体験レポート写真

冬のホステル

 他の国の人と話をするのはもちろん楽しい。バックグランドが違うということは、とても楽しい。けれど、彼らとは、お互い母国語ではない英語で話をするので、100%理解しあえているとは思えないことも少なくない。その点、日本人同士だと会話は楽だ。なかなか他の国の人とは深い話までできないし、自分の悩みが他の国の人にとっては悩みでないことが多かったりする。その点日本人は同じ悩みをもっていることも多いので、そういうことをわかってくれる日本人は私には大切な存在だ。




頑張っている日本人が自分の励みになる

 ワーキングホリデーで外の世界を見たいと思っているような人はバイタリティー溢れていて、とても個性的な人が多い。すでに違う国でワーキングホリデーしていた過去をもっていたり、また次は違う国に行くという人も少なくない。そんな日本人を見るとすごく励みになる。がんばろうって。不思議なもので、同じ話を他の国の人がしても、ここまで強く心に響いてこない。なんでだろう?日本人だからといって、会ったばかりの人と、深い話をするのも、実は、ものすごく不思議なことだと思う。もし、日本だったら、知らない人とは関わらなかっただろう。逆に、まったく知らない人だし、二度と会うこともないだろうから、できることなのかもしれない。

 色々な日本人と話すようになって、同じワーキングホリデーでも様々なスタイルがあることを知った。また私と同じような仕事をしている人でも、目指しているものが違ったり、想いも違う人もいた。全く同じではないのだ。それって、すごいことだなって思った。「自分のワーキングホリデーって、どうなのだろう?」と思ったこともあるけど、自分のワーキングホリデーは自分だけのものなのだと、誇りに思うようになった。


英語を勉強して広がった世界

ワーキングホリデー体験レポート写真  こうして、日本人と話をすることも必要だと思うようになったのだけれど、英語を勉強したおかげで、世界はものすごく広がった。完璧ではないにしろ、色んな国の人と話ができるのだ。話ができるようになったからこそ、その国のことを知らないと理解できないことも多いということを感じるのかもしれない。私の知っている世界は、まだほんの一握りの世界なのだ。思えば、同じ日本人同士でも他人を理解するのは、大変なこと。それが違う国となったら、なおさらだ。文化の壁って、本当に崩すのが大変だと知った。

 冬のペンティクトンは、青空に太陽の光が眩しかった夏とはうって変わって、グレイな日々。雪が積もっては溶け、溶けてはまた雪が降るの連続。始めは珍しかった雪も、もう見飽きてしまった。今は本当に太陽が恋しい。曇天模様と比例するように、私の活力も落ちていく。1年前にカナダに来た時の、雨続きのバンクーバーで、プチうつ状態になったことを思い出す。この冬をどうしたら、明るく乗り切れるのだろうか?


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