スタディ - 留学・英会話
Ritsumeikan at UBC.

立命館・ブリティッシュ・コロンビア大学
ジョイントプログラム・レポート:10

 

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森下加那子(もりした かなこ)
アジア太平洋大学・アジア太平洋マネージメント学部3回生.
愛知県出身。趣味は映画・ミュージカル鑑賞、買い物。海外と関わりがある職業に就くことが将来の希望。

「今しかない!」
私はこの言葉に強くパワーを感じる。カナダへ留学を決めたのも、今カナダに行くべきなのだと感じたから。そしてここに来て3ヵ月、限られた時間の中で、この言葉の意味はますます深いものになってきた。カナダでの生活は、全てにおいて新しく、無限の可能性があることを示してくれる。

私が留学生活を通じて感銘を受けたものの一つにCO-OPプログラムがある。
CO-OPプログラムは、企業研修プログラムのようなもので、実際に企業で研修の機会を得られるように、大学側が学生をサポートするものである。多くの大学がこのようなプログラムを設けており、カナダの学生の間ではよく知られているものらしい。
CO-OPプログラムはカナダやアメリカ、その他いろいろな国の企業やNGOなどの組織・団体と提携を結んでいるため、実習先は様々である。しかし、学校が学生をサポートしてくれるとはいえ、自動的に実習先が与えられるわけではなく、ワークショップを通して仕事を得るために必要な様々なノウハウを学び、自分で会社にアプローチしなければならない。

思い返せば、9月にカナダに来て、1ヵ月も経たないうちに、CO-OPプログラムのことを聞いた。それから締め切りまでの1週間で、レジュメやカバーレターの書き方から、面接の仕方などを学び、先生とミーティングを何度も行い、CO-OPプログラム・オフィスに提出する書類を書き上げた。
「今しかない!」と思った。
結果はどうなるかわからないが、達成感でいっぱいだった瞬間、失敗を恐れていては駄目なのだと改めて感じ、とにかく自分の好奇心のまま行動しようと強く思った。その結果、私は合格し、夢のチケットを手にした。今までは、UBCのプログラムに入るために必死だったが、それは通過点に過ぎなかった。これからが本番であり、全て自分次第である。結果にとらわれず1つ1つの過程を大事にしていきたい。

もう一つ、「今しかない!」と思って参加したのが、ボランディアプログラムだ。
私は、12月のクリスマス休暇を利用して、ショッピングセンターでボランティアをした。このボランティアは、様々な問題を抱える家族を保護するCHIMOという団体が、ギフトラッピングをして募金を集めるというものである。初日は、自分の英語力でやっていけるか不安ばかりが募ったが、徐々に仕事にも慣れた。数日後には、「Happy Holiday!」と笑顔で客を見送る余裕も出てきた。
しかし、このボランティアは、実際に行ってみると想像していたよりずっと大変だった。客の要望に答えて商品をラッピングし、それに加え客の手荷物を預かって、それにかかるお金の徴収と会計を行い、そのお金がどういう目的で使われるのかを客に説明しなくてはならない。

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客の中には、なぜお金をとるのだと言い張るおじさんもいれば、大きな買い物袋を抱えて、「もうクリスマスの準備は完璧よ」と幸せそうな婦人もいた。顔の作りも肌の色もそれぞれ違うが、そこには本当に多文化社会があった。ボランティアに参加している人も高校生から社会人まで幅広く、地元の人もいれば、ヨーロッパ、アジア、インドからの移民もいた。しかし誰もお互いを特別扱いするのではなく、当たり前のように私にも話しかける。このボランティアは、学校では決して学ぶ事ができないリアルなカナダの社会と、生きた英語を教えてくれた。私は、ボランティアがこんなにも心を豊かにしてくれるものだとは思わなかった。これこそがボランティアの真の意義であろう。

CO-OPプログラムとボランティアは、私の心の中にあった小さな好奇心から生まれた大きな挑戦だが、新しい自分を創る土壌になった。
こうしたプログラムに加え、UBCで知り合った友人らと一緒に食事をしたり、パーティーに参加したりして、私は留学生活を楽しんでいる。遊び、そして学ぶ。このメリハリが私のカナダライフを生き生きとさせてくれるのだ。
しかし、自分がカナダで貴重な経験ができるのも、留学を支えてくれる親の存在があってこそのことだと思う。いつか、自分のゴールにたどり着ける日まで、諦めることがないように、これからも明確な目的意識と感謝の気持を忘れず笑顔で過ごしていきたい。

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